伝統漁法を観光資源に 宇検村の魅力発信へ始動 芦検当間待ち網組合

網を設置する芦検当間待ち網組合のメンバー=14日、宇検村芦検

網を設置する芦検当間待ち網組合のメンバー=14日、宇検村芦検

 宇検村芦検集落の伝統漁法「当間待ち網(トウママチャン)」を観光資源として活用する体験漁のモニターツアーが14日、同集落であった。芦検当間待ち網組合(川畑直俊組合長、組合員19人)が観光客への漁の見せ方や説明方法などを確認。川畑組合長(72)は「伝統の継承や宇検村の魅力発信につながれば」と語った。

 

 当間待ち網は入り江の内側に向かってL字型に網を張り、海岸沿いに回遊してくる魚を狙う漁。岸の見張り台には「トモリ」と呼ばれる見張り役が立ち、魚影を確認すると合図して一斉に網を引き魚を捕らえる。

 

見張り台から漁場を見つめる見張り役=14日宇検村芦検

見張り台から漁場を見つめる見張り役=14日宇検村芦検

 当間は漁場の呼び名。かつては村内に内待ち網、桟橋待ち網など複数の待ち網組合があったが、現在は当間待ち網組合だけが存続しているという。

 

 松の大木に設置していた見張り台は松枯れにより2018年、県のにぎわい回廊整備事業で高さ5メートルの鉄筋モルタル製に変わった。案内看板には大漁だった2001年の様子が掲示されている。

 

 ツアー展開は全国的にも珍しい漁を通して村の魅力をアピールするとともに、継承者の育成を目指す目的。この日は宇検村と大島支庁林務水産課の職員がモニターを務めた。  参加者はボートに乗り、組合員らが手こぎ舟で網を設置する様子を見学した後、網を引く作業に加わった。魚が近付くと「魚が見えるぞ」「おいしいのが入っているか」などと声が飛び交い、海岸には笑顔があふれた。

 

 魚を待つ間は、焼内湾を一望する峰田山公園を散策して観光を楽しんだ。今後は体験者の感想を参考に内容を精査し、観光マップへの掲載などを検討する。

 

 川畑組合長は「魚が獲れなかった場合の対応やトイレなどの設備面、外国語対応などが課題だが、村の目玉の一つとして人を呼べれば。地元の児童生徒は無償で受け入れたい」と語った。

 

 体験ツアーは日曜日のみ実施(年末年始を除く)。時間は4時間程度、料金は1人3千円。5人から受け付ける。申し込みは電話0997(67)2045宇検村漁業協同組合。