伝統祭事を次世代に-知名町瀬利覚

知名町瀬利覚で三十三年忌祭140502★沖 【沖永良部総局】知名町瀬利覚の永田兼勝さん(79)方で2日、三十三年忌の祭事があった。シマ踊りの奏楽を担当する歌三線奏者で、踊りの振り付けや指導も行うジューテ(地謡)により祭事は進行。三十三年忌にのみ歌われる口承の念仏(みんぶち)歌の演奏や女性による祝踊り、男性の棒踊りなどにぎやかに執り行われた。

 和泊、知名両町の町誌などによると、三十三年忌は年忌供養の最後として、親族を招いて盛大に行う。永田家は今年、兼勝さんの母の三十三年忌に当たり、5月の連休に合わせて祭事を開催。本土の親族なども合わせて約40人が参加した。
 この日のジューテは同集落在住の福山利明さん(79)が務めた。前日の1日、墓から霊を家に迎えると、2日は午後から会場を借り、一同そろって会食。ジューテの演奏で女性の踊り手が「御前風」「花ぬかじまやー」「みやらび」の祝踊り3曲を踊った。
 踊りの後は参列者一同、墓へ向かった。行列は手踊りの女性を先頭に、ジューテ、棒踊りの男性、その他の参列者と続き、ジューテの念仏歌に合わせ、踊り手が棒と四ツ竹を打ち合った。墓前で女性が祝踊りを踊り、最後は祈りをささげた。
 近年、島内では昔から伝わる祭事の簡素化が進んでいる。永田さんは「月日がたつのは早いものでもう33年。今日は母のことで思い出すことがたくさんあった。最後の供養はちゃんとしなければならないとの思いがあった」、福山さんは「ジューテが少なくなるとともに、念仏を歌える人も少なくなっている。次の世代に引き継いで残していかなければならない」と力を込めた。

(写真:念仏歌の演奏に合わせ、踊りながら祖先の霊を墓へ送る参列者ら=2日、知名町瀬利覚)