住民の疲労ピーク 台風被害の加計呂麻島

浸水した校舎の片付けに追われる諸鈍校の児童生徒=1日午後2時ごろ、瀬戸内町諸鈍

浸水した校舎の片付けに追われる諸鈍校の児童生徒=1日午後2時ごろ、瀬戸内町諸鈍

 29日夜から30日朝にかけて奄美群島に最接近した台風24号の猛威で、瀬戸内町加計呂麻島でも建物の損壊や高潮による家屋の浸水被害が相次いだ。1日午後6時現在、携帯電話の不通、停電、断水が続いている集落があり、住民は不便な生活を強いられている。

 諸鈍集落では強風で海岸から巻き上げられた大量の砂や折れた枝、鉄片などのがれきが道路や庭に散乱し、住民が片付けに追われていた。

 諸鈍小中学校は高潮で床上最大約60センチの浸水があり、校舎や体育館など建物のほとんどが水に漬かった。地元住民によると、同校の浸水被害はこれまで聞いたことがないという。30日は地域住民や保護者、1日は児童生徒、職員、教育委員会職員らで校庭のがれきを撤去。教室から机やいす、学習機材を外に運び出して教室を消毒する作業を行った。

 中別府久人校長は「掃除用具が不足し、大量に出るごみの処理にも困っている。体育館は今後使えるか分からない。明日(2日)にでも授業を再開したいが、見通しが立たない状況」と肩を落とした。

 芝集落では29日夕から停電、断水が続き、30日からは住民の若手がトラックにポリバケツを乗せて隣集落まで水をもらいに往復している。1日午後4時ごろには町が船で飲料水を集落に届けたが、洗濯や片付けなど自由に使える水がなく、住民の疲労とストレスはピークに達している。

 芝田千恵子さん(90)は「今日こそは(電気が)つくかと思ったが。もう待ち切れずに川で洗濯し、鍋で米を炊いた。昔を思い出したよ。情報は電池式のラジオが頼り。トイレのたびにタンクに水を入れるのも大変」と疲れた様子で話した。

 ある住民女性は「店のパンも品切れ、即席めんで過ごしている住民もいる。年寄りが多く、自分たちで買い出しなどに行けない人も多い。私たち自身もそうだが、町ももっと災害前に水や食料を届けておくなど事前の備えや対応を見直した方がいいのではないか」と話した。

 

集落に飲料水を届ける町職員ら=1日午後4時ごろ、瀬戸内町芝

集落に飲料水を届ける町職員ら=1日午後4時ごろ、瀬戸内町芝