住用町山間 ウラジロガシ巨木倒れる

倒れたオキナワウラジロガシ=3日、奄美市住用町(常田守さん撮影)

倒れたオキナワウラジロガシ=3日、奄美市住用町(常田守さん撮影)

 奄美市住用町山間の山中にあったオキナワウラジロガシの巨木が倒れていたことが分かった。長年通って撮影を続けた同市名瀬の自然写真家・常田守さん(64)が今月3日に確認し、「世界自然遺産登録を視野に、自然観察スポットとして活用を考えていた。非常に残念だ」と肩を落とした。


 オキナワウラジロガシは幹周り約8・9メートル。常田さんは1990年代初めごろ、山間集落奥の山中で見つけた。今年に入って住民から連絡を受け、現地を訪ねてウラジロガシが根元から倒れているのを確認した。


 「近付いたらそこだけ明るくなっていたので、やっぱり駄目だと思った」と常田さんはショックを隠せない。昨年夏ごろに健全な状態を確認しており、「(昨年10月末に襲来した)台風22号で倒れたのではないか」とみている。

 

どっしりと大地を踏みしめる老樹=2017年4月

どっしりと大地を踏みしめる老樹=2017年4月

 昨年4月に奄美市立奄美博物館主催の自然観察会が現地であり、常田さんが地域住民らを案内し、近くにある根の幅約11メートルのハマイヌビワとともに巨木を観察会の目玉に据えた。参加者らは巨大な老樹を見上げて歓声を上げ、奄美の森の魅力を体感していた。


 観察会はこの時が始めて。常田さんは「奄美の人に奄美の自然の奥深さ、雄大さを伝え、世界自然遺産に値する島だと分かってほしいと思った。次の時代へ残すためには知ることが一番大事だ」と力を込め、「周囲にはまだ残っている大木もある。森に手を付けなかったら、100年後にはすごい木になるだろう」と森の保全に期待を示した。