入院病床46床を休止 経営改善策などの一環で 診療体制は従来通り 県立大島病院

4月から一部病床が休止される県立大島病院=奄美市名瀬

4月から一部病床が休止される県立大島病院=奄美市名瀬

 【鹿児島総局】県は26日、奄美市名瀬の県立大島病院の入院病棟のうち、1棟46床を4月から休止すると明らかにした。経営改善策と施設の効率的な運用への取り組みの一環。県立病院局県立病院課によると、休止するのは3階東病棟で、休止予定期間は2020年度の1年間。21年度以降の運用体制については20年度内に検討する。同課は休止する病棟に入院している患者について「他の病棟の空き病床に移動する。診療体制が変わるものではない」としている。

 

 同日開かれた県議会3月定例会で日高滋議員(自民、西之表市・熊毛郡区)の代表質問に、福元俊孝県立病院局事業管理者が答えた。

 

 同病院の現状について、福元管理者は「手術などを伴う急性期病床のみで運営しているが、診療圏人口の減少などにより入院患者の確保が困難になっている」と説明した。県立病院課によると、同病院の18年度経常収支は1億7400万円の赤字を計上。03年度以来15年ぶりの赤字決算となった。

 

 同病院の病床数は350床で、現在はこのうち315床を運用。「病床の休止により運用病床を集約し、看護師などスタッフの勤務効率化も図る」としている。

 

 県が16年11月に策定した奄美医療圏の地域医療構想によると、同医療圏では急性期病床が実際の入院ニーズを上回っている一方で、手術後のリハビリなどを行う回復期病床が不足しているのが現状。

 

 同課は、こうした状況も踏まえ「急性期病床のみで運営していた大島病院も将来的には回復期病床の必要性が予想される」と説明。その上で、新年度は医療圏全体の将来像について地域の医療機関と連携しながら検討を重ねる方針を示し、4月以降の大島病院の病床休止も将来を見据えた取り組みの一環と位置付けた。

 

 病床休止の一方、同病院では新年度に放射線治療用の医療器具の更新も予定しており、同課は「これまで県本土の医療機関に頼っていた高精度の放射線治療が可能になる」としている。