全国定時制通信制大会で特別賞 眞正博さん(37)

全国高校定時制通信制柔道大会で特別賞を受賞した眞正博さん=23日、奄美高校

全国高校定時制通信制柔道大会で特別賞を受賞した眞正博さん=23日、奄美高校

  第50回全国高等学校定時制通信制柔道大会(全国高等学校定時制通信制教育振興会など主催)が4日、東京・講道館であった。男子75㌔以下級に眞正博さん(37)=奄美高校定時制3年=が県代表として出場。仕事と学業を両立し、子育てをしながら柔道に打ち込む姿が評価され、「石澤奨学会理事長賞」(特別賞)を受賞した。眞さんは「支えてくれた家族や職場、学校関係者のおかげ」と感謝した。

 

 眞さんは中学を卒業後、建設業に従事した。「技術があれば学歴は関係ない」と思っていたが、腰の病気を機に転職。レンタカー会社に勤めた。ここで学歴の壁にぶつかった。待遇面で高卒以上の同僚と格差がある。眞さんには妻(35)と3人の子どもがいる。眞さんは「家族を守っていくためにも待遇を上げたい。高校に行こう」と考えた。

 

 職場の後押しもあり、2017年、奄美高校定時制商業科に入学。35歳だった。入学と同時に部活動を探した。柔術の経験がある眞さんは「柔道をしたい」と考えたが、当時は柔道部がなかった。運良く眞さんが入学した年、柔道の指導経験豊富な本村大志教諭(54)が赴任した。2人は同好会を立ち上げた。

 

 眞さんの一日は忙しい。職場は奄美市笠利町。午後4時に仕事を切り上げ、学校へ向かう。授業開始は午後5時20分。授業を終え、夜遅くなっての帰宅。「子どもたちの寝顔を見るのが楽しみ」(眞さん)。当初は授業についていくのにも苦労した。部活は土日が中心。本村教諭と共に中学校にも出稽古に行った。同好会は1年後、「部」に昇格した。

 

 眞さんは6月にあった資格審査(選考会)を突破。全国大会の出場権を獲得した。眞さんの日々の努力は職員、生徒、PTAにも知られていた。誠実な人柄は高い評価を受けた。学校は終業式と合わせて壮行会を開催した。全国大会には東京ともしび会(昇勝美会長)=定時制同窓会=の会員も応援に駆け付けた。

 

 全国大会、初戦の相手は三重県の15歳の選手。惜しくも敗れたものの、最後まで諦めない姿勢に卒業生たちは温かな拍手を送った。試合終了後、眞さんの「石澤奨学会理事長賞」受賞が決まった。対象は男女各1人。賞は困難な環境の中で練習成果を発揮した選手に贈られる。本村教諭は「この賞は1勝よりも価値がある」とたたえ、ともしび会も喜びを共にした。

 

 受賞後、眞さんは家族や職場の協力に感謝するとともに、「柔道を通して多くの仲間ができた。卒業後も柔道や柔術を続け、恩返しがしたい。子どもたちに挑戦し続ける姿を見せたい」と話した。