助け合い台風乗り切る 喜界町小野津

避難所で協力しながら過ごす小野津集落の住民ら=6日、喜界町

避難所で協力しながら過ごす小野津集落の住民ら=6日、喜界町

 台風10号の接近に備え喜界町小野津集落では5日、小野津地域文化等宿泊体験学習施設に0歳~97歳まで67人が身を寄せた。深夜から6日にかけて風雨が強まり、停電にも見舞われたが、住民らは助け合いながら台風を乗り切った。臨時で開設された避難所で、地域住民の連携する力が発揮された。

 

 避難所となった施設は、2012年度に学校統廃合で閉校となった旧小野津小学校。現在は集落が管理し年間150人ほどを受け入れている。

 

 この施設の整備を5年前から行っているのは島崎久代さん(72)。島崎さんに3日、地域の高齢者から避難の問い合わせがあり、2年前の台風被害が頭をよぎった島崎さんが、区長や役場に避難所にしてはどうかと相談した結果、施設を開放することが決まった。

 

 宿泊者に気持ちよく過ごしてほしいとの思いで、宿泊施設や周辺の花壇の手入れを続けている島崎さんは「災害時だからこそ地域の人に使ってもらいたいと思った」と話す。

 

 避難所にするため、4日から島崎さんが施設内の掃除を行い、5日には地域の小中学生とその保護者らで100枚以上ある窓ガラスを補強した。

 

 避難者を受け入れ、台風が接近した6日午前9時ごろには停電したが、集落の若手らが窓際に新聞を詰めて雨対策したほか、子どもたちの食事を保護者が協力して作り、避難者たちに振る舞う場面もみられた。転んでけがをした高齢者を地域に住む看護師が手当しサポートする場面もあったという。

 

 娘と避難してきた守内ミツノさん(93)は「知り合いや親戚ばかりで安心して眠ることができた」。香島末野さん(80)は「かやぶき屋根に住んでいた時には八幡神社に避難したことを覚えているが、現在の家に住んでから避難したのは初めて。みんなで昔の話などをして過ごした」と語った。

 

 台風が襲来する前に、1人暮らしの高齢者などに避難の声掛けをして回ったという島崎さん。避難所での様子を「普段からのコミュニケーションが大事だと改めて思った。助け合いの様子がみられうれしく思う。あとは無事に帰宅できれば」と笑顔で語った。