原告は落胆の声、首長ら評価 自衛隊差し止め却下決定で 鹿児島地裁

 奄美大島での陸上自衛隊警備部隊とミサイル部隊配備に反対する住民グループが建設工事差し止めを求めた仮処分申し立てに対し、鹿児島地裁は27日、却下する決定を出した。申し立てを行った原告が落胆の声を上げた一方、部隊誘致を求めてきた地元の首長は、地裁判断を評価、円滑な施設整備にも期待した。

 

 奄美大島への陸上自衛隊部隊配備計画は2014年に浮上。15年の基本設計や配備予定地の環境調査、測量を経て、16年に奄美市名瀬大熊で住民説明会があり、両予定地で敷地造成に着手した。17年には関連施設建設が始まり、現在、駐屯地の隊員宿舎や住宅の建設も進んでいる。

 

 防衛省が部隊配備へ向け施設整備を進める中、地元では民間組織が誘致推進と阻止の両面で運動を展開。商工業関係団体が国への配備要望書提出などを行った一方で、反戦・平和団体は反対集会などで阻止を訴えた。

 

 地裁決定について、奄美市の朝山毅市長は「公平、公正な立場で審議された結果と受け止める。地元として、今後とも国や関係機関と連携しながら事業実施に協力していきたい」、瀬戸内町の鎌田愛人町長は「わが国の領土と平和を維持するため、南西諸島への自衛隊配備は絶対に必要。配備に向けた施設整備を粛々を進めていただきたい」と語った。

 

 一方で、地元の住民有志が今月22日に奄美市で市民を対象に行ったミサイル部隊配備の是非を問うシールアンケートでは約8割が「必要ない」と回答。住民団体は地元での反対の意識も根強い中で、建設阻止への取り組みを粘り強く継続する構えだ。