喜界馬「お帰り!」   喜界町伊実久

歓迎セレモニーで十島村の有村教育長(左)から喜界町の川島町長(右)に引き渡された馬グラッシー=24日、喜界町伊実久

歓迎セレモニーで十島村の有村教育長(左)から喜界町の川島町長(右)に引き渡された馬グラッシー=24日、喜界町伊実久

  喜界町伊実久のグローリーファーム(栄常光代表取締役)で24日、喜界馬(トカラウマ)歓迎セレモニーがあった。行政関係者ら20人が出席。喜界馬をルーツにもつトカラウマの120年ぶりの里帰りを喜んだ。

 

 喜界島郷土研究会会員の獣医師、高坂嘉孝さん(67)によると、喜界島在来の馬「喜界馬」は骨が丈夫でひづめも硬く、運搬や農耕に重宝されていた。1897(明治30)年ごろ、トカラ列島の宝島に十数頭が渡り、「トカラウマ」と名付けられ、貴重な在来馬として1953(昭和28)年に鹿児島県の天然記念物に指定された。

 

 喜界島内では、戦争時に軍馬として品種改良され、大型化していった。昭和20年代には4000頭を数えたが、農業の機械化の進展などで昭和40年代には数百頭に激減。1990(平成2)年には喜界島から姿を消した。

 

 喜界馬の血をひいているトカラウマを地域おこしにつなげようと町は2017年、喜界馬復活プロジェクトチームを立ち上げた。チーム内で意見交換しながら鹿児島大学や十島村と情報交換も重ね、昨年12月15日、トカラウマ一頭を譲り受けることが実現した。

 

 譲り受けた「グラッシー」は中之島の牧場生まれ、中之島育ち。体高130㌢、体重240㌔の雌で、今年5月で満3歳。性格は穏やかでおとなしく、人にも慣れている。

 

 セレモニーで川島健勇喜界町長は「喜界馬の復活は、島の人が待ち望んでいた。町の財産として今後皆さんと活用について考えていきたい」とあいさつ。 有村孝一十島村教育長は「トカラウマを縁に島同士の連携を図りたい」と肥後正司村長のメッセージを伝え、、川島町長にグラッシーの手綱を渡した。

 

 喜界島でグラッシーの世話をするグローリーファームの栄さんは「獣医さんと相談しながら、毎日ひづめなど体調チェックをしている。今後は調教についてもしっかり学んでいきたい。おとなしく賢いので、ぜひ声を掛けに来てほしい」と話していた。

 

 町は喜界馬復活プロジェクトチームを中心に教育や観光へつなげいきたい考えだ。