国立公園管理運営で意見交換=奄美市住用

国立公園の保全や利用に関する問題点を話し合った意見交換会=10日、奄美市住用町

国立公園の保全や利用に関する問題点を話し合った意見交換会=10日、奄美市住用町

 奄美群島国立公園の管理運営計画策定に向けた環境省主催の意見交換会が10日、奄美市住用総合支所であった。地域住民ら約30人が参加。地域の自然環境の保全と利用の在り方を話し合い、世界自然遺産登録を見据えた施設整備や、観光客の増加による過剰利用、希少種を襲う猫の問題などを課題に挙げた。

 

 奄美群島国立公園は2017年3月7日、国内34番目の国立公園として誕生した。管理運営計画は自然公園法に基づいて国立公園の適正な保護、利用を推進する目的で群島内5島を対象に策定する。計画には将来ビジョンや基本方針、関係者の連携体制などを盛り込む。住民との意見交換会は17年度に計画づくりに着手した奄美大島、徳之島の8市町村で同日までに開いた。

 

 同日は同省奄美自然保護官事務所の千葉康人上席自然保護官らが国立公園の概要や管理運営計画について説明した後、参加者らは4班に分かれて住用地域の海や森、川、集落など自然環境や景観について魅力を感じる場所や、保全や利用に関する問題点などを話し合った。

 

 参加者らはサンゴの群生する海岸やリュウキュウアユの生息する川、モダマ自生地、タンギョの滝、悪綱引きなど豊かな自然や伝統文化を魅力に挙げた一方、山中でのごみの不法投棄や、三太郎峠で増加するナイトツアー、山中で野生化した猫(ノネコ)や集落の野良猫の問題、既存施設の改修や展示の充実などが課題に挙がった。

 

 世界自然遺産登録に関して「経済が潤うという発想が先走っている」「住民と自然遺産に関わる人の意識が乖離(かいり)している」との指摘もあった。

 

 奄美大島、徳之島の管理運営計画は住民らの意見を踏まえて、有識者で組織する協議会を立ち上げて検討し、18年度中に計画案をまとめる方針。他の3島でも18年度以降に計画づくりに着手する。