大島紬の文化、次世代へ 技術専門学院に10人入校

織り技術者への一歩を踏み出した受講生ら=11日、奄美市名瀬

織り技術者への一歩を踏み出した受講生ら=11日、奄美市名瀬

  大島紬の織り技術者を育てる本場奄美大島紬技術専門学院(校長・前田豊成本場奄美大島紬協同組合代表理事)の2018年度入校式が11日、奄美市名瀬の市産業支援センター(旧県工業技術センター)であった。県内外から10人が入校。今年は鹿児島市にも同様の「大島紬技術養成所」を設置し、両市で伝統の担い手育成を目指す。

 

 大島紬の技術者育成事業は奄美市で毎年実施しているが、鹿児島市では03年以降休止していた。職人の高齢化が進む中、今年から奄美市の同組合と鹿児島市の本場大島紬織物協同組合、藤絹織物㈱(鹿児島市)でつくる県本場大島紬協同組合連合会(窪田茂会長)の主催となり、鹿児島市の養成所にも10人が入校した。

 

 同連合会は経済産業省と一般社団法人「きものの森」の支援を受け、学院と養成所にそれぞれ2人の指導者を配置。奄美市では1人月2万円の助成金があり、受講生は1年(最大2年)間かけて技術を学びながら織り上げた反物の報酬を得ることができる。

 

 入校式で前田校長は「大島紬は1300年以上の歴史を持つ世界に誇る伝統産業で、織りは40以上の工程を締めくくる大切な作業。全員が立派な技術者として巣立つことを願う」と式辞。

 

 きものの森の矢嶋孝敏理事長も来島し「世界で最も精緻な大島紬の文化を次世代へ継承するという重要な使命を忘れず、まい進してほしい」と受講生へエールを送った。

 

 学院に入校したのは10~60代の男女で、県外からの参加者も3人いた。家族で大島紬の製造販売業を営んでいる奄美市名瀬の山下明希さん(19)は「祖母の機織りを幼い頃から見ていた。一人前の織り工を目指し、再来年の弟の成人式には手作りの紬を贈りたい」と意気込んだ。

 

 同学院では来年以降、図案作成や締め機、染色などの加工技術の指導も予定しているという。