天城町平土野 アートで商店街活性化へ

2018年03月20日

地域

壁にアートを描く徳之島高校美術部の生徒ら=18日、天城町平土野

壁にアートを描く徳之島高校美術部の生徒ら=18日、天城町平土野

 天城町の平土野商店街の活性化を目指す「平土野アートプロジェクト」が今春、本格始動した。18日は徳之島高校美術部の部員や地域住民などが参加し、商店街の壁に絵や文字を描くなど制作活動を実施した。年次的に商店街20カ所へ壁画を描き、人が集う拠点づくりを進める計画だ。

 

 同商店街は町役場や徳之島空港、平土野港に近く、ビジネスや観光で多くの入り込み客が通るが、建物の老朽化が目立ち、人通りは少ない。今夏に期待される世界自然遺産登録や同港への大型客船寄港などで徳之島に観光客の増加が見込まれることから、商店街へ人の流れをつくり商工業発展へつなげようと、町商工会青年部を中心にプロジェクトを企画した。

 

 昨年6月に実行委員会を立ち上げ、地主への交渉やアートの方向性決定など準備を進めてきた。アートのテーマは「徳之島らしさ」。壁画制作は2月下旬に始まり、カメやガジュマル、闘牛など自然や文化を表現した作品を描いている。

 

 この日は6人が制作作業を行い、事前にデザインしたアートを描いた。実行委によると、2017年度中に7カ所の壁画を完成させる。作業に参加した徳之島高校2年の徳田聖花さん(17)は「アートを描くことで、この一帯が明るくなる。多くの人が集まる見栄えの良い場所にしたい」と話した。

 

 プロジェクトでは壁画制作と並行して、同地を巡る観光客向けにまち歩きマップも作成する。同実行委の順直輝事務局長(44)は「亀津と並ぶ商店街だった昔のように人通りが戻り、活気あふれる平土野商店街づくりにつなげていきたい」と語った。