奄美の植物で染色多彩に 奄美市

2019年07月21日

地域

自らが植物で染めた糸で織られた7色のカーテンを紹介する植田正輝さん=20日、奄美市名瀬

自らが植物で染めた糸で織られた7色のカーテンを紹介する植田正輝さん=20日、奄美市名瀬

 奄美市笠利町在住の染色家・植田正輝さん(67)が、奄美市名瀬の一般社団法人「結いの島」ギャラリーで奄美の植物を使って染色した作品展を開いている。大島紬の泥染めに携わり45年。染色技能士として活躍し、奄美の自然と風土が生み出す、天然の淡い彩りのグラデーションが来場者の目をひきつけている。

 

 植田さんは瀬戸内町節子に染色工房「しまむたび」を構え、1人で活動。大島紬の泥染めを専門とし、1984年には大島紬技術競技会で県知事賞を受賞した。30年ほど前から泥染めのみでなく、さまざまな植物を使った染色に挑戦。ソテツやサトウキビ、ハイビスカスの葉などを使ってきた。

 

 作品展には約120種類の色に染めた糸がずらり。奄美大島各地の赤土を使った色だけでも11色ある。奄美市笠利町用海岸から採取した海藻のモツレミルからは淡い黄緑色が、ソテツの葉からはクリーム色が引き出された。

 

 一番の目玉はポリエステルや絹糸を染めて生地を織ったカーテン(7色)。ピンク色のものは南米の虫「コチニール」を乾燥させ、煎じて出た色だという。

 

 植田さんは「奄美の植物にしか出せない色を追及して生地を制作し、いつかシマのブランドを作りたい」と意気込んでいる。

 作品展は入場無料で8月12日まで。開場は午前10時~午後5時。