奄美の2地区陸自、年度末の部隊配備へ加速

2018年度末の部隊配備へ施設整備が進む陸上自衛隊の奄美駐屯地(仮称)=13日、奄美市名瀬大熊(本社小型無人機で撮影)

2018年度末の部隊配備へ施設整備が進む陸上自衛隊の奄美駐屯地(仮称)=13日、奄美市名瀬大熊(本社小型無人機で撮影)

 防衛省が奄美大島で計画している陸上自衛隊部隊配備が2018年度末に迫り、奄美市名瀬の大熊と瀬戸内町節子で現在、配備に向けた土地造成と施設整備が急ピッチで進んでいる。同省は本年度、両地区の施設建設費などとして約156億円を計上。庁舎や車両の整備工場、弾薬貯蔵庫などを整備する予定で、南海日日新聞の取材に「本年度末までに、部隊配備に必要最低限の整備を終える」と答えた。一方、同島の反対住民は地元への説明不足を指摘するなど、反対を貫く姿勢を見せている。

 

 計画によると、名瀬大熊の「奄美駐屯地」(仮称)には約350人、節子の「瀬戸内分屯地」(同)には約210人の人員を配置予定。いずれも、広域監視や武装ゲリラ侵攻への初動対処、災害派遣などを担う警備部隊を配備し、大熊には中距離地対空ミサイル(中SAM)部隊、節子には地対艦ミサイル(SSM)部隊を併設。場外離着陸場や射撃場、燃料施設、弾薬庫などを整備する計画だ。

 

 防衛省は17年度末までに両地区で敷地の造成工事や隊庁舎などの施設整備を実施しており、本年度も建物整備を継続する。一部の整備は19年度にずれ込む見込みだが、同省は「本年度末の部隊配備に変更はない」としている。

 

 併せて、奄美市名瀬と瀬戸内町に隊員と家族用の住宅も設ける。名瀬では朝日町(47世帯)、佐大熊町(24世帯)の住宅は着工済みで、浜里町にも27世帯入居の住宅を建設する。整備棟数はいずれも1棟。瀬戸内町阿木名(2棟)も着工済みで、計65世帯が入居する予定。

 

 一方、地元では反対の声も根強く、部隊配備に反対する住民グループは17年5月、駐屯地など関連施設整備の工事差し止めを求める仮処分を鹿児島地裁名瀬支部に申請した。

 

 申し立てを行った「奄美・自衛隊ミサイル基地反対債権者の会」の城村典文共同代表は「部隊配備によってアマミノクロウサギなどが生息する貴重な自然環境が破壊され、憲法が定める平和的生存権や人格権も侵害される」と指摘。「行政当局による市民への説明不足も大きな問題だ」と批判する。

 

 今年3月までに同地裁で5回行われた審尋ではレーダーによる住民の健康への影響懸念なども掲げて、整備反対を主張。「山間部で工事が進んでおり、市民は基地建設を身近に感じていないようだ」とし、「地元の理解が進まないままで、奄美が基地の島になってしまってはいけない。最後まで反対を訴える」と話した。

 

 同地裁は4月末までに、差し止めの是非について判断を下す見通しだ。