奄美ドクターヘリ出動303件 前年比148件減、適性化進む

委員らがオンラインで参加した奄美ドクターヘリ運航調整委員会=5日、奄美市名瀬の県立大島病院

委員らがオンラインで参加した奄美ドクターヘリ運航調整委員会=5日、奄美市名瀬の県立大島病院

 奄美ドクターヘリ運航調整委員会の2020年度会合は5日、奄美市名瀬の県立大島病院救命救急センター研修ホールであり、19年度出動実績報告書と新型コロナウイルス感染症対策などを承認した。19年度出動件数は303件で前年度に比べ148件の大幅減。総飛行時間も前年度より短くなったものの、県本土や沖縄への長距離搬送が多く、1出動当たりの平均飛行時間は59分と前年度より約8分長かった。

 

 新型コロナ感染拡大防止のため、同病院関係者以外の委員はオンラインで参加した。

 

 報告書によると、19年度の奄美ドクターヘリ運航は終日運航359日、一部運休6日。要請件数433件のうち不出動は130件。出動303件の内訳は現場出動131件、施設間搬送141件、出動後キャンセル31件。

 

 患者の搬送先は群島内が218人。群島外は県本土が31人、沖縄が15人の計46人。総飛行時間は約296時間で前年度より約94時間短いが、全国平均より約48時間長い。1出動当たりの平均飛行時間は59分で全国平均(約27分)の2倍以上となっている。

 

 不出動の主な要因である重複要請につながるとして、課題となっている施設間搬送は、前年度に比べ55件減と2年連続で減少したが、全体の51・8%を占め、全国平均(19・9%)を大きく上回る状況が続いている。

 

 事務局から消防・医療部会の報告があり、与論島、沖永良部島の施設間搬送では、沖縄への搬送を希望されることが多いが、重複要請が発生しないように群島内の病院に搬送しているとして、「群島民全体の医療資源であると理解いただけるよう今後も地道に説明を続けていく必要がある」と協力を求めた。

 

 新型コロナ感染症対策は、ドクターヘリでは感染が確定している患者は搬送しないとした上で、運航・医療クルーは全ての出動に対して防護具を着用することや、感染の疑いもある患者は搬送せず、患者の家族の同乗は原則として禁止することなどを盛り込んだ。

 

 髙間辰雄救命救急センター長は「出動件数は適正化が進んでいるが、運航時間は全国平均より長く、離島の病院や島民の理解が必要。ドクヘリが永続するために、適切な運航に向けてしっかりと検証することが大事だ」と述べた。