奄美市でハンセン病学習会

ハンセン病問題について理解を深めた学習会=17日、奄美市

ハンセン病問題について理解を深めた学習会=17日、奄美市

 家族訴訟からハンセン病問題を考える学習会(ハンセン病家族訴訟原告弁護団、奄美和光園と共に歩む会主催)は17日、奄美市名瀬公民館であった。弁護団や地元在住の原告がハンセン病元患者家族訴訟を振り返り、現在の心境や判決の意義、課題を報告。「これからも語っていくことが差別偏見をなくしていくことにつながる」などと訴えた。

 

 同訴訟を巡っては6月、熊本地裁がハンセン病元患者の家族への差別被害を認めて国に賠償を命じ、政府が控訴を断念したことで判決が確定した。今月15日には元患者家族に最大180万円を支給する補償法と、名誉回復を図る改正ハンセン病問題基本法が成立した。

 

学習会で、ハンセン病家族訴訟について振り返る赤塚興一さん=17日、奄美市

学習会で、ハンセン病家族訴訟について振り返る赤塚興一さん=17日、奄美市

 学習会では弁護団の島翔吾氏が訴訟の経過を報告した。判決は▽患者、元患者だけでなく、その家族も隔離政策の被害者▽国会議員や関係大臣の責任(作為義務違反)▽家族が受けた被害は個人の人格形成、尊厳に関わる「人生被害」―と認めた意義を強調。

 

 一方、▽2002年以降にハンセン病元患者の家族であることを認識した20人の原告の請求を棄却し、国の責任を否定▽戦後米軍統治下にあった沖縄での隔離政策の責任を否定▽認容額の低さ―を問題点に挙げた。

 

 弁護団共同代表の徳田靖之氏は▽国のどこが間違っていたのか、徹底的に知らせ、啓発活動を改めていく▽奄美和光園の歴史を残す―などの課題を挙げ、「命ある限り共に闘いたい」と力を込めた。

 

 原告副団長で奄美市の赤塚興一氏は「多くの原告が実名を出せなかったことに被害の深刻さを感じた」と訴訟を振り返り、差別偏見をなくすための啓発活動の継続を訴えた。

 

 学習会には弁護団、原告、支援者など約40人が参加。支援者からも「被害者は声を上げにくい。国の政策により、つくられた差別に加担してしまった側の声を集めることも、理解を広めるために必要」などの声が上がった。