奄美文化センターの高倉群、全壊、半壊

台風の強風で倒壊した高倉群(上)=2日、奄美文化センター一万人ひろば

台風の強風で倒壊した高倉群=2日、奄美文化センター一万人ひろば

 奄美市名瀬の奄美文化センター一万人ひろばの高倉群(5棟)が台風24号の強風で倒壊した。全壊した棟もあれば、半壊状態で柱が倒れ、その上に屋根と倉の部分が乗っている棟もあり、いずれも損傷が激しい。市教育委員会は「安全確保のため、撤去を急ぐ。貴重な文化資料でもあり、年次的にでも復元に向けて取り組みたい」との考えを示した。

 

 市教委文化財課によると、倒壊したのは①1990年、大和村国直から寄贈(4本柱)②同年、龍郷町秋名から寄贈(同)③87年、旧笠利町佐仁から寄贈(同)④90年、大和村国直から寄贈(9本柱)⑤86年、旧名瀬市芦花部から寄贈(6本柱)―。台風が接近した9月29日夜から30日早朝にかけて倒れた。

 

 台風の接近に伴い、市教委は倉庫部分に土のうを入れたり、屋根にネットを掛けたりしたが、台風の強風の前にはなすすべがなかった。特に奄美博物館側に近く周囲に風を遮るものがない高倉は全壊し、見る影もない。その他も柱がずれて倒壊したり、屋根のかやが吹き飛んだりと、痛みが激しい。

 

 高倉は奄美の先人の知恵が生んだ貴重な文化財。文化センターの高倉は日陰をつくり、来場者の憩いの場でもあった。

 

 高倉は過去にも台風で損傷し、復元した経緯がある。市教委文化財課の久伸博課長は「倒壊した高倉は危険防止のため、撤去する。使える部品とそうでないものを分類し、復元に備える。復元を通して高倉の製造技術の伝承に生かしたい」と話した。

来場者の憩いの場にもなっていた倒壊前の高倉群=2011年3月(奄美博物館提供)

来場者の憩いの場にもなっていた倒壊前の高倉群=2011年3月(奄美博物館提供)