子どもの減少に歯止めを/9校対象に18年度スタート

少子化や人口流出を背景に将来の学校存続が危ぶまれる奄美市内の小規模校。市は2018年度、9校を対象に里親留学制度をスタートさせる(資料写真)

少子化や人口流出を背景に将来の学校存続が危ぶまれる奄美市内の小規模校。市は2018年度、9校を対象に里親留学制度をスタートさせる(資料写真)

 奄美市は2018年度、市内の小規模校に奄美群島外の小中学生を受け入れる離島留学支援事業「奄美くろうさぎ留学」をスタートさせる。留学の形態は里親留学。児童生徒の減少に歯止めを掛け、地域活性化につなげるのが狙いだ。ただ、高齢化に伴う里親の担い手不足など課題もある。留学制度が学校存続の起爆剤となるのか。先進地の事例を紹介しながら可能性を探る。

 

 離島留学は、大都市圏などの児童生徒が住民票を移して一定期間、離島の学校に通う制度。公益財団法人日本離島センター(東京都)によると、離島留学は、新潟県佐渡島の導入(1986年度)を皮切りに全国離島に広まった。近年は里親の減少により、寮(合宿所)を設置するケースや親子での留学を受け入れる自治体も増えている。16年度現在、全国5県20市町村27島の82校(小学校52校、中学校30校)が離島留学制度を導入している。

 

 奄美市の人口(国勢調査)は名瀬、笠利、住用の3地区合わせ、市町村合併前年の2005年が4万9617人。10年後の15年には4万3156人で6461人減少した。15歳未満でみると、15年は6260人で05年の8064人に比べて1804人減った。

 

 同市の離島留学制度は、市内9校(知根小、崎原小中、芦花部小中=以上名瀬地区、佐仁小、屋仁小、手花部小=同笠利地区、住用小、住用中、市小中=同住用地区)が対象。小学3年生から中学3年生までを原則1年以上受け入れる。崎原、芦花部両校は、名瀬市街地の大規模校から児童生徒を受け入れる「特認校制度」を導入しているが、両校を含むいずれの校区も働き手世代の流出などに伴って子どもの数が年々減少しており、対策が急務となっている。

 

 現行奄美群島振興開発特別措置法(奄振法)で新設された奄振交付金を活用して、市側は17年度、事業推進のための制度設計と広報といった業務をプロポーザル方式で選定した事業者に委託。区長や校長らで構成する校区単位の校区活性化協議会をとりまとめる「奄美市里親留学制度連絡協議会」(事務局・市教育委員会学校教育課)を組織したほか、チラシや留学新聞(パンフレット)の配布をはじめ、先進地から講師を招き説明会を開いて制度への理解と周知を図った。

 

 南海日日新聞が9校区の住民を対象に行った留学制度に関するアンケートでは、「学校を存続させるために必要」などと制度への理解を示す声があった一方で、「他人の子を預かるのは不安が大きい。買い物や旅行にも行けなくなる」といった意見も多く寄せられた。地域住民の協力なしでは成り立たない里親留学。全国離島でも課題となっている里親確保の難しさが奄美でも浮き彫りになった。