学校存続~奄美市里親留学

宇宙留学生8人を受け入れている茎南小学校。和気あいあいとした雰囲気で図工の授業を楽しむ子どもたち=1月24日、南種子町

宇宙留学生8人を受け入れている茎南小学校。和気あいあいとした雰囲気で図工の授業を楽しむ子どもたち=1月24日、南種子町

 種子島の南種子町(人口5753人=2018年1月末現在)は、1996年度から山村(離島)留学制度「宇宙留学」を導入し、2018年度で23期目を迎える。これまでに受け入れた留学生は600人超。種子島宇宙センターが町内にあり、ロケット打ち上げを身近で体験できる地域とあって、毎年国内をはじめ海外からの申し込みもある。地域住民が主体となって制度運営し、学校存続につなげている成功事例と言える。

 

 里親留学(対象小学2年~6年)の受け入れ校は町内8小学校のうち7校。17年度からは家族留学(対象小学1年~中学2年)と親戚留学(対象同、親戚は3親等以内)の受け入れも始めた。18年度の留学希望者は136人に上り、うち49人(里親留学32人、家族留学11世帯17人)を今年4月から受け入れる予定だ。南種子町教育委員会によると、宇宙研究や島ならではの自然体験に興味を持った子どもが自らの意思で留学を希望するケースが多いという。

 

 留学制度の運営は町内各校区の校区実行委員会(校長、教頭、地区公民館長、PTA会長などで組織)でつくる連絡協議会が中心となり、里親は各校区実行委が教育委員会に推薦する。留学生の選考は先着順だが、受け入れ校ごとに学年別、男女比などの学級編成を考慮して決める。留学期間は原則1年で、里親には、留学生1人につき8万円(町補助金、実親負担金各4万円)が毎月支払われる。

 

 同町教委の担当者は「各校区で学校を存続させるために留学生を確保したいという強い思いがある」と強調。「病気や事故といったトラブルに最初に対応するのは一番近くにいる大人。里親だけでなく、地区公民館長や学校長などみんなで対応する。実親への連絡体制も長年の経験の蓄積で構築された」と語る。

 

 同町では里親世帯ごとに留学生2人を受け入れるのが基本。子ども同士のコミュニケーションを通じて互いの悩みが解消されたり、きょうだいのような関係が形成されることで、里親の精神的、肉体的負担軽減にもつながり、共働きでも受け入れが可能になるなどメリットが大きいという。

 

 里親世帯は14年度以降、16~24世帯で推移し、年間平均40人の留学生を受け入れてきた。里親世帯の多くが、継続して里親に手を挙げている。

 同町立茎南小学校(福留和弘校長)は児童27人中8人が留学生だ。17年度で里親6年目の上園政信さん(61)はこれまでに12人の子どもを預かった。「大変なこともあったが楽しい思い出の方が多い。今でも断る理由がないので受け入れている。気負わず、子どもの意見を聞いて叱るときは叱り、褒めるときは褒める。毎年、新しい留学生が来るのを私も学校の子どもたちも楽しみにしている」

 

 愛知県からの留学生・太田莉子さん(5年)は「茎南小のみんなとすぐに友達になれた。いろんなことを経験して、愛知のお母さんにはお姉さんになったねと言ってもらえた。3月で帰るけど、いつかまたみんなに会いたい」と笑顔で話した。