宇検村にブラジルから16人来訪

貴重な写真に見入るブラジル鹿児島県人会の文岡副会長(左端)と訪問団メンバー=5日、宇検村元気の出る館

貴重な写真に見入るブラジル鹿児島県人会の文岡副会長(左端)と訪問団メンバー=5日、宇検村元気の出る館

 宇検村からブラジルに渡った村出身者やその子孫の訪問団が4日から同村を訪れている。5日は村内見学や歓迎会があった。ルーツの地を初めて踏んだ訪問団メンバーからは「長年の夢だった祖先の墓参りができた」「初めて会う親戚にも心を込めて歓迎してもらえた」と喜びの声が上がった。

 

 宇検村誌によると、村からの移民が始まったのは1918(大正7)年。戦時中の中断を挟んで61(昭和36)年まで続いた。訪問団は今月1日に鹿児島市で開かれた鹿児島県人世界大会参加のために来日。ブラジル鹿児島県人会の文岡・セルジオ・正樹副会長(50)ら20代~70代の計16人が宇検村まで足を延ばした。

 

 村内見学では同村生涯学習センター「元気の出る館」で開催中の宇検村ブラジル移民100周年企画展(宇検村教育委員会主催)を訪れた。会場には戦前の貴重な写真や資料が数多く展示されており、訪問団は100年続いてきた村とブラジルとの交流の歴史に感慨深く見入っていた。

 

 展示資料にはメンバーが写っている写真もあった。65年にブラジルの農園で撮影された写真には、同村2世の高田いつおさん(69)ときょうだい計6人が写っていた。高田さんは「遠く離れた宇検村で自分の写真に出合えるとは思わなかった。懐かしくて言葉にならないほどありがたい」と声を詰まらせた。

 

 文岡副会長は「自らの歴史を振り返ることができ訪問団全員が感動している。企画展を開くまでには大変な労力がかかったと思う」と感謝を述べた。元田信有村長は「節目の年に歴史をまとめられた意義の大きさをあらためて感じている。喜んでもらえてこちらもうれしい」と笑顔を見せた。

 

 5日夜には歓迎会があり、村民ら約100人が参加。村指定無形文化財の芦検稲すり踊りや、開運太鼓、島唄を披露して訪問団をもてなした。訪問団は6日に船で奄美大島を離れる予定。