尊い犠牲へ祈り 海自機墜落事故から58年 奄美市名瀬

犠牲者の冥福を祈って献花する参列者=13日、やのわき公園

犠牲者の冥福を祈って献花する参列者=13日、やのわき公園

 救急用血液を輸送中の自衛隊機が奄美市名瀬で墜落し、13人の犠牲者を出した事故から58年。13日、事故があったらんかん山に近い、やのわき公園で慰霊式が行われた。主催者の奄美大島青年会議所(JC)や自衛隊関係者、地域住民など約60人が参列。犠牲者の冥福を祈るとともに事故を風化させないという思いを新たにした。

 

 事故は1962年9月3日、手術中の妊婦を救うため海上自衛隊鹿屋航空基地を飛び立った航空機が墜落。隊員12人と市民1人が亡くなった。

 

 事故翌年から実施された慰霊式は三十三回忌を機に一度途絶えたが、2005年に再開された。慰霊碑のくれないの塔で開かれるのが通例だが、雨天のため会場を変更した。式に合わせた塔周辺の清掃は予定通り行った。式では参加者全員が献花や焼香を行って尊い犠牲を悼んだ。

 

 奄美大島JCの渡太郎理事長(40)は「新型コロナウイルス感染拡大の影響を心配していたが例年通り多くの参加がありありがたい。ただ継続するだけでなく式の意義も受け継いでいきたい」と話した。

 

 海上自衛隊第一航空群司令の川村伸一海将補(51)は「コロナ、台風で開催を危ぶんでいたが無事開催していただけた。地元の方々の思いに感謝。尊い犠牲で得た教訓と奄美の人たちとのつながりを今後も大切に伝えていきたい」と感謝を込めた。

 

 奄美市は人命救助のため殉職した犠牲者の行為を語り継ごうと、事故の起きた9月3日を「献血の日」と定めている。