島外出産の負担さらに増加 外出規制で滞在長期化 新型コロナで与論の妊婦

9月に沖縄県で出産予定の原田さん=19日、与論町

9月に沖縄県で出産予定の原田さん=19日、与論町

 常駐の産婦人科医がいない与論町では、沖縄県や県本土などでの島外出産が一般的で妊婦の負担は大きい。今年は新型コロナウイルスの影響で県をまたぐ移動の際に2週間程度の外出自粛を求められるようになり、滞在期間の長期化など負担がさらに増している。

 

 同町保健センターによると、5月18日現在で10月までに出産を予定している町内の妊婦は17人。そのうち13人が沖縄県での出産を予定しているが、県をまたぐ移動のため、医療機関を訪れる前に渡航後2週間は滞在先での外出自粛を求められている。

 

 町はこれまで、島外で出産する人を対象に、宿泊費の補助として1日当たり3千円を、最大30日分支給している。新型コロナの影響による滞在長期化を踏まえ、補助拡充の方向で検討しているという。

 

 9月に沖縄で出産予定の原田理恵子さん(39)は「県本土より距離が近く、出産後にも病院を利用する可能性を考え、沖縄の方が便利だと思った」という。しかし、新型コロナの影響で3月以降、沖縄の医療機関に足を運べていない状況から「希望する医療機関に出産を受け入れてもらえるかはっきり分からない」と不安を口にした。

 

 原田さんは7月中旬に沖縄へ移動する予定。「出産準備から、静岡県に住む母親に沖縄に来てもらって協力してほしいが、その移動もできるのか心配」と悩みは尽きない。

 

 同じく9月に出産予定の柳田香織さん(38)は、妊娠当初は沖縄県で出産予定だったが、県内移動にとどめるため県本土での出産に変更した。「初産で高齢出産なので、移動距離が長い分、移動中に体調を崩したり、コロナに感染したりするリスクもある」と体への負担増も心配し、「1人でも産婦人科医が与論に常駐してくれればいいのに、といつも思っている。県本土や奄美大島などで出産準備期間に助産師が妊婦と一緒に生活してくれるサービスなどがあれば、ありがたい」と語った。

 

  (沖永良部総局)