差別と偏見のない社会に 奄美和光園合同慰霊祭

 391人の冥福を祈り、偏見のない社会づくりを誓った合同慰霊祭=15日、奄美市名瀬

391人の冥福を祈り、偏見のない社会づくりを誓った合同慰霊祭=15日、奄美市名瀬

 奄美市名瀬の国立療養所奄美和光園(加納達雄園長)は15日、同園講堂で2018年度合同慰霊祭を開いた。入所者や遺族、園職員、来賓ら62人が参列。391柱の安らかな冥福を祈りながら、ハンセン病に対するいわれなき差別と偏見のない社会づくりを誓った。

 

 入所者は24人(男性7人、女性17人)。年々高齢化が進み、平均年齢は85・83歳(1日現在)に達している。この1年間で2人が亡くなった。

 

 加納園長は「全てのみ霊のご冥福をお祈り申し上げる」と追悼の言葉を贈るとともに「先人の努力で和光園は入所者の平穏な暮らしの場へと変貌し、地域医療を補完する施設ともなった。偏見、差別のない社会をつくるため人権教育の場ともなっている」と施設の果たす役割を強調。歴史的建造物の旧納骨堂の補修完了報告、歴史資料館開設計画にも言及した。

 

 入所者を代表して山田祥入所者相談係(89)が「朝な夕な悲しみと寂しさを忘れることなくお祈り申し上げる」とあいさつ。

 

 遺族代表は「公共施設などハード面の差はなくなったとはいえ、人の心のバリアがなくなったとは言いがたい。安心して過ごせる社会を形成することが私たちの使命であり、務めではないか」と差別や偏見の解消を訴えた。

 

 最後に参列者らが祭壇に献花してみ霊を慰めた。