差別や偏見の解消を 奄美市でハンセン病シンポ

ハンセン病問題を考えるシンポジウム=24日、奄美市の奄美大島教育会館

ハンセン病問題を考えるシンポジウム=24日、奄美市の奄美大島教育会館

    ハンセン病問題を考えるシンポジウムが24日、奄美市名瀬の奄美大島教育会館であった。ハンセン病の歴史や現状、差別や偏見などの解消に向けた取り組みについて3氏が報告。ハンセン病家族訴訟の原告副団長として闘った奄美市の赤塚興一さん(82)は、勝訴となった裁判を振り返りつつ、患者だった父親への思いなどを語った。

 

 真宗大谷派解放運動推進本部(京都市)主催。奄美を主会場に全国にある同派の関係施設をオンラインでつないで実施した。同派大島寺住職で、奄美和光園と共に歩む会代表の福田恵信さんが司会を務めた。

 

 ハンセン病家族訴訟は、国が続けた患者の隔離政策によって家族も差別を受けたとして家族らが国に損害賠償を求めた裁判。2019年6月、熊本地裁が国に賠償を命じ、政府が控訴を断念したことで判決が確定している。

 

 実名を公表して闘った裁判について赤塚さんは「不満な点もあるが、多くの人たちが恩恵を得た運動だった」と評価。元患者の父に優しく接することができなかったことを後悔し「今もすまないという気持ちでいっぱいだ」と振り返った。

 

 奄美和光園職員の福崎昭徳さんは「和光園の現入所者は19人。平均年齢は86歳を超えているが、園の永続化に向けた取り組みはまだ方向性が見えていない。早期具体化を国などに要望していきたい」と報告。

 

 教育現場でハンセン病問題に取り組む星村博文さん(芦花部中学校教諭)は「ハンセン病や人権に対する子どもたちの理解は進んでいると感じている。二度と同じ過ちを犯さないためにも教育が果たす役割はとても大きい」と話した。