復帰運動の現在的意義考察 「奄美の復帰運動と保健福祉的地域再生」出版記念セミナー 奄美市

日本復帰運動と地域再生について考える書籍を編著した田畑洋一氏=25日、奄美市名瀬

日本復帰運動と地域再生について考える書籍を編著した田畑洋一氏=25日、奄美市名瀬

 戦後の日本復帰運動から現在の奄美群島の地域再生や保健福祉の充実化について考えるセミナーが25日、奄美市名瀬の奄美図書館であった。パネリスト11人が登壇。「復帰運動当時の時代背景などを分析し、現代の奄美について再考すべき」「運動の礎となった結束力と助け合いの仕組みを地域づくりに生かして」などさまざまな提言があった。

 

 セミナーは鹿児島国際大学大学院客員教授の田畑洋一氏編著の「奄美の復帰運動と保健福祉的地域再生」(南方新社)の出版を記念し、実行委員会主催。執筆者28人のうち11人がそれぞれの担当分野や本の内容について語った。

 

 奄美群島の日本復帰運動を伝承する会の大津幸夫氏は他の執筆者の考察に触れながら「奄美群島の日本復帰は文化的に近かった沖縄との決別にもなった」と指摘。「奄美の住民にとって自分のアイデンティティーがどこにあるのかもう一度考えるべきだ」と述べた。

 

 鹿児島国際大学福祉社会学部准教授の大山朝子氏は「奄美の住民の共同意識と互助のしくみが復帰運動の礎になっていた」として「元々持っている地域コミュニティーの力を生かした新たな取り組みで地域再生を目指してほしい」と提言した。

 

 本書は①軍政下の奄美②日本復帰の実現とその後③奄美の保健福祉~復帰運動を教訓にして―の3部構成。A5判、310㌻、価格は3500円(税別)。問い合わせは電話099(248)5455南方新社。