持続可能な観光とは 鹿大「島めぐり講演会」

町内外から約20人が参加した鹿大の島めぐり講演会=16日、瀬戸内町

町内外から約20人が参加した鹿大の島めぐり講演会=16日、瀬戸内町

  鹿児島大学主催の奄美群島島めぐり講演会が16日、瀬戸内町立図書館・郷土館であった。本年度6回目で最終回。環境省奄美野生生物保護センター希少種保護増殖等専門員の鈴木真理子さんと鹿大法文学部教授の萩野誠さんがアマミノクロウサギや観光をテーマにそれぞれ講演し、受講者は持続可能な観光の在り方について考えた。

 

 島めぐり講演会は、研究成果の地域還元が目的。今年4月の徳之島を皮切りに群島内6会場で実施した。

 

 鈴木さんは、アマミノクロウサギの養育行動について映像を交えながら紹介。また、アマミノクロウサギと人間をめぐる問題として①マングースやノネコ(野生化した猫)などの外来種問題②アマミノクロウサギによる山間部の畑の農作物被害③観光客の増加による野生生物への負の影響―を挙げ、それぞれの現状と対策について説明した。

 

 萩野さんは、世界自然遺産の先進地である屋久島の縄文杉に観光客が殺到した事例を紹介し「奄美はアマミノクロウサギを中心にオーバーユースになる可能性が高い」と指摘した。「観光業で売り出すためにはイメージ、ブランドが必要。(目当ての動物が)出なかったら、見れなかったら、というガイドへのプレッシャーがオーバーユースにつながる」と述べ、法的規制や注目される資源の分散が必要になると説明。

 

 ダイビングや加計呂麻島の諸鈍シバヤなど観光資源が豊富で、地元事業者がガイドのノウハウを持つ瀬戸内町は持続可能な観光地として可能性のある地域と語った。

 

 講演には町内外から約20人が参加し、質疑応答や意見交換を通して地元に関する研究成果に理解を深めた。