故郷の海 守り継ぐ2人 奄美出身 溜さんと青山さん│巡視船あまぎ乗員

巡視船あまぎと今年3月退官予定の溜さん(左)、昨年9月に着任したばかりの青山さん=20日、奄美市の名瀬港観光船バース

巡視船あまぎと今年3月退官予定の溜さん(左)、昨年9月に着任したばかりの青山さん=20日、奄美市の名瀬港観光船バース

 奄美大島で生まれ育ち、故郷の海を守り継ぐ2人の海上保安官がいる。奄美海上保安部の巡視船あまぎ(佐藤哲船長)乗員として、今年3月に退官する大和村大棚出身の主席通信士・溜範男さん(65)と、昨年9月に着任した奄美市名瀬出身の航海士補・青山海斗さん(21)。互いの新たな船出へ向けて、それぞれの思いを語った。

 

 溜さんは、2013年12月、奄美海上保安部への巡視船あまぎ配備と同時に第8管区海上保安本部(京都府)から転入。定年まで通信長、再任用後は主席通信士としてあまぎに7年以上乗り続け、他船との交信業務などに当たっている。

 

 青山さんは、県立大島高校を卒業後、19年10月に海上保安庁入り。幼少期から海に憧れ、当時、鹿児島海上保安部所属だった巡視船おおすみ、はやと両船の体験航海などにも参加。現在は、巡視船あまぎの新任航海士補として船内業務全般の基礎を学んでいる。

 

 青山さんが中学2年生だった頃、知人を介して溜さんに「海上保安官志望の子がいる」と伝わった。初めて会った2人は、飲食店で1時間以上にわたって海保への熱い思いを語り合い、溜さんから実際の現場業務や入庁へ向けた勉強内容などを伝えた。

 

 あまぎ船上では良き先輩、後輩の2人。若手育成も担う溜さんは、指導内容を自主的に書き取る青山さんを「真面目で伸びしろがある」と評価。青山さんは「まだまだ訓練でも思うように動けない。もっと実践を積み、将来は海上警備に関わりたい」との思いを抱く。

 

 離島という管内の地理特性上、警備や救難のほか、急患搬送なども担う巡視船あまぎ。溜さんは自らの経験を基に「さまざまな業務を通じて『故郷の海を守る』実感が湧くと思う。年齢的に孫のような存在だが、陸から成長を見守りたい」と期待を寄せる。

 

 これから全国各地での船艇、陸上勤務を見据える青山さんは「さまざまな海域、業務を経験して奄美に戻り、溜さんのように若い海上保安官を導く存在になれれば」と語った。