料理研究家が「島料理と環境文化」語る あまみならでは学舎

料理研究家の泉さんが奄美の食文化について講話した奄美ならでは学舎の最終日=16日、県立奄美図書館

料理研究家の泉さんが奄美の食文化について講話した奄美ならでは学舎の最終日=16日、県立奄美図書館

 県立奄美図書館の生涯学習講座「あまみならでは学舎」の2020年度最終講座が16日、奄美市名瀬の同図書館であった。料理研究家の泉和子さん(69)が「島料理と環境文化」の題で講話。97人が参加し、奄美の食と伝統、文化の関係性について学んだ。

 

 泉さんは奄美市名瀬出身。実家の旅館で料理を習い、民俗学的視点を取り入れながら奄美の家庭料理や行事食、調味料などについて研究している。奄美各地の料理をレシピ化した書籍を出版したほか、料理教室などでも奄美の味の継承に取り組んでいる。

 

料理研究家の泉さん

料理研究家の泉さん

 講座で泉さんは、ツバシャ(ツワブキ)やフツ(ニシヨモギ)、ダーナ(ホテイチク)などの季節ごとの食材や、旧暦で行われる奄美のさまざまな年間行事、行事食を紹介。それぞれの食材がどのように食べられていたかを解説し、地元の食材と文化の関係性について「その土地の料理から昔から続いてきた奄美の暮らしぶりが見えてくる」と語った。

 

 文献に残る料理の再現やレシピの記録などの活動についても触れ、次世代への食文化の継承について「奄美・沖縄の世界自然遺産登録も見据え、食を通して奄美の文化を伝えるような場所が必要ではないか」という提言もなされた。

 

 龍郷町から訪れた前山照久さん(73)は「仕事で全国を回り、昨年約50年ぶりに地元に帰ってきた。とても勉強になり、自然の食材を取りに出掛けたくなった」。妻の和香子さん(68)は「食材が豊かなことに改めて気付かされた。調理法が分からないものもあり、料理を習ってみたい」と話していた