新型コロナ、与論で新たに11人陽性 患者ら、鹿児島初の院内感染確認

 県は23日、与論町で新たに11人の新型コロナウイルス感染者が確認されたと発表した。このうち少なくとも6人は22日に感染が発表された20代女性の接触者。女性は与論徳洲会病院(高杉香志也院長、81床)に勤務する看護師で、新たな感染者にはこの女性と接した70代の入院患者2人と、同僚の40代女性も含まれており、県は院内感染が考えられると説明。入院患者への感染は県内初という。女性は15日に県外からの来島者も交えて会食しており、県は会食によるクラスター(感染者集団)発生の可能性もあるとしている。

 

 新たに感染が確認されたのは与論町在住の20代から90代までの男女。3人は無症状で、他の8人は発熱やせき、喉の痛みなどの症状が出ている。重症者は確認されていない。

 

 与論徳洲会病院は島内唯一の総合病院で、県は病床数確保など医療体制維持のため、20代女性看護師と、新規感染者のうち6人を海上保安庁の航空機で県本土の医療機関に搬送した。40代女性同僚は同病院に入院中で3人は自宅待機中。

 

 同病院で感染が確認された入院患者は男性と女性の各1人。男性は38・2度の発熱とせき、女性はせきの症状があるという。同僚の女性は37・6度の発熱と喉の痛みを訴えている。

 

 20代女性看護師は15日に町内の飲食店で会食。県によると、女性を含め12人が参加し、5人は県外からの来島者だった。このうち23日に陽性と判明したのは20代男性1人と30代男性2人で、いずれも町内在住。このほか、この飲食店の60代男性店員も感染が確認された。

 

 23日に確認された濃厚接触者は少なくとも17人。県は病院関係者も含めて幅広く調査を継続するとともに、23日午後以降、83件のPCR検査を実施。検査結果は24日にも判明する見込み。

 

 新型コロナの感染が与論島唯一の総合病院で確認されたことを受け、県は23日、感染症に詳しい鹿児島大学病院感染制御部の川村英樹特例准教授を現地に派遣し、感染拡大防止を図っていると説明。くらし保健福祉部の地頭所恵部長は「まずはこれ以上、感染を広げないことが重要」と強調した。

 

 与論徳洲会病院は現在、急患以外の外来診療を休止中。県は「感染状況をしっかり把握し消毒などの対応を行った上で、通常の医療体制に戻れるよう検討していく」としている。

 

 県内では23日、指宿市で20代男性1人と10歳未満の女児2人、鹿児島市で20代女性の感染も新たに確認。県全体の感染者数は189人に達した。