新型コロナ影響でLCC運休に嘆き

入り込み客減に伴い利用が減ったレンタカー=9日、奄美市笠利町

入り込み客減に伴い利用が減ったレンタカー=9日、奄美市笠利町

 新型コロナウイルスの感染拡大による経済への打撃が宿泊施設やレンタカー、飲食店などの観光関連業を中心に奄美でも深刻化している。奄美大島では空の便の運休や減便も発表され、感染症の影響は島民の願いと裏腹に拡大の一途をたどっている。観光業関係者らは入り込み客の減少による業績不振に思い悩む半面、島内へのウイルス侵入を防ぐとの観点でジレンマも抱えている。

 

 国内での感染症拡大を受け、格安航空会社(LCC)ピーチ・アビエーションは奄美―成田、奄美―関空の両路線(各1日1往復)を今月10日から30日まで運休する。

 

 奄美市のあるホテルの取締役(40代)は「来島者は関東、関西圏からの旅行者が主。ここを結ぶ空の便の運休は観光業にとってダムの元栓を占められたようなもの。影響は大きい」と嘆く。

 

 4月の宿泊予約は「ほぼ全てキャンセル」。併設するレストランや売店の売り上げにも響いているというが、「感染拡大防止の観点で考えれば、旅行者は少ない方がいいと感じる島の人は多いはず。だが、観光業にとってこの現状は死活問題。従業員らの生活もある」と苦しい胸の内を語った。

 

 龍郷町のゲストハウスは、3月は予約の7割が来島したというが、4月に入って状況が一変。LCCの運休発表も影響し、5月の大型連休まで予約はほぼキャンセルになった。

 

 女性オーナー(40代)は「同じ奄美群島の沖永良部島で感染者が出たのも影響したかなと思う。うちは個人の旅行客ばかりなのでLCCの運休は痛手」と話した。

 

 「3月は忙しかったが4月に入って客足が激減した」と話すのは奄美空港近くで約300台のレンタカーを保有する店舗の従業員。「ピーチの飛行機が到着すると受け付けが忙しくなっていただけに休止の影響は大きい。5月の連休までには再開してほしいが、先が読めない」と不安を口にした。

 

 観光施設への影響も。龍郷町にある大島紬村の越間得晴社長(52)は「3月から4月初旬は本来なら繁忙期だが、客足は例年の10分の1くらい」と厳しい状況を明かした。奄美大島観光協会の会長も務めており、「観光業にとって厳しい現状だが、感染症の世界的な収束が第一。そのための努力や協力は私たちも惜しまずやりたい」と語気を強めた。