旅行客、今年も激減 与論島 

海水浴を楽しむ旅行客ら=1日、与論町の大金久海岸

海水浴を楽しむ旅行客ら=1日、与論町の大金久海岸

   【沖永良部島】「安心して旅を楽しんでもらいたい」「新型コロナウイルスに対して気を緩めてはいけない」―。ゴールデンウイーク(GW)には例年多くの旅行客が訪れる与論島だが、昨年に続き、今年もコロナの影響で旅行客が激減している。ヨロン島観光協会によると、4月29日から5月5日までの宿泊客は延べ約1500人。例年の半分以下だが、昨季よりは増えているという。観光業者は感染対策をしながら経済を回すという難しい対応に迫られている。

 

 同協会によると、2020年の与論島への入り込み客は、1967年以降で5番目に少ない3万4358人。49年ぶりに4万人を下回った。2019年までの直近3年間は約7万人で推移していたが、20年は新型コロナの影響で約半分に落ち込んだ。20年5月の入り込み客は、5月として過去最低の469人。前年同月の6029人に比べて92・2%減少した。

 

 今季のGWの宿泊客数は、島内の宿泊事業者へアンケートを実施して集計した。同協会の町岡安博事務局長(56)は「GW中は1日当たり200人ほどの旅行客がいることになる。観光業者は感染対策をしっかりして対応してほしい」と話した。

 

 島内屈指の観光スポット「百合ヶ浜」では1日、多くの旅行客の歓声が響いていた。関東から訪れたという30代女性は「これから夕日を見て、夜は星空観察に行く」と声を弾ませた。同町で10年以上マリンレジャー業に従事する益田光男さん(57)は「1年以上、旅行客が大幅に減って寂しかった。まだ客は少ないが、回復してきてよかった」と話した。

 

 同町茶花の繁華街・銀座通りは昨年、島内で発生した新型コロナのクラスター(感染者集団)の影響で、夜間の営業時間を短縮する飲食店が多かったが、1日は食事などを楽しむ人の姿が見られた。

 

 通り会の髙井秀一朗会長(35)は「イベントや積極的な経営をいつまでも自粛していたら、経済は回らないし、旅行客にも申し訳ない。今年中に経済再生のきっかけになるようなイベントを企画したい」と前を向いた。