日中から続々と避難 「無事過ぎ去って」祈る思い 台風10号接近で 奄美地方

早めに避難し、横になりながらテレビで台風情報を確認する住民ら=5日午後1時過ぎ、大和村名音

早めに避難し、横になりながらテレビで台風情報を確認する住民ら=5日午後1時過ぎ、大和村名音

 台風10号が接近した奄美地方で5日、過去最大級とされる台風の暴風雨に備えようと、住民らが各地の公民館などへ日中の早いうちに避難した。4日から開設した沖永良部島2町を皮切りに、奄美では5日午後4時半までに全自治体が避難所を開設。雨、風が強まる前に避難した人も多く、同日午後6時までに奄美全体で計4163人が避難した。また島内の親類や知人宅、ホテルなどを避難先に選んだ人もいた。住民らは「少しでも被害が少なく過ぎてほしい」と祈る思いで台風襲来に備えている。

 

 大和村は午前10時に村内全域の861世帯1483人に避難準備情報を出し、同時に公民館や学校体育館など14カ所の避難所を開設。主に独居高齢者や身体の不自由な人などが早めに避難所へと向かった。

 

 同村名音生活館には午後3時までに、15人が食べ物や着替えなどを持って避難。タオルケットを敷いて横になりながら、テレビのニュース番組で台風情報を確認していた。

 

 避難所開設後すぐに避難したという同集落の女性(70代)は「一人暮らしなので人が多くいる場所の方が安心と思い、早めに来た。今回の台風はとにかく怖い。早く過ぎ去ってほしい」と不安を口にした。

 

 同集落消防団員の國副平剛さん(44)は「自力での避難が困難な方などは消防団が避難を手助けするが、雨や風が強まる前に避難してもらえると、私たちも非常にありがたい」と話していた。

 

 奄美市住用町の市集落では避難所開設時刻の正午を待たず、住民らが避難所となった市小中学校に集い始めた。同集落の森紘道区長(72)は「10年前の奄美豪雨では集落が孤立し、長期間の停電も集落民は経験しており、防災意識は高い。今回は何事もなければいいが」と不安そうな表情を浮かべた。

 

 宇検村田検集落の田検防災会館には午前11時ごろ、安田義治さん(68)が避難していた。「脳梗塞で左半身が不自由。朝から役場職員や若い人たちが雨戸の打ち付けを手伝ってくれ、車で避難させてくれた。薬が残り4~5日分しかないのが心配だ」と話していた。

 

 龍郷町の円集落の円公民館には昼過ぎから住民が避難。町職員が2人常駐し、検温や新型コロナウイルス対策に取り組んでいた。村田貞雄区長(69)は「円は大潮時の波による被害が心配だ。集落には落石が起こりそうな場所もあり、できるだけ多くの住民の避難を促している」と話した。