日本工業大が筏舟作り 古代島々の交易に使われた舟 特別研究員、基さん進水実験 平土野漁港

琉球列島間の交易や移住で使われた舟の検証で筏舟の進水実験をする日本工業大学特別研究員の基さん=22日、天城町の平土野漁港

琉球列島間の交易や移住で使われた舟の検証で筏舟の進水実験をする日本工業大学特別研究員の基さん=22日、天城町の平土野漁港

 琉球列島で3万数千年前に使われた舟を検証しようと、日本工業大学(埼玉県)が筏舟作りに取り組んでいる。大学の特別研究員、基昭夫さん(71)が22日、天城町の平土野漁港で進水実験を行った。基さんは与論町出身。「奄美や沖縄で古代人が漁や島々の交易、移住に使った舟を検証したい」と意欲を見せる。

 

 人類が3万5千~3万年前に大陸から日本に渡来したルートの一つに、台湾から黒潮に乗って南西諸島を経て渡る「沖縄ルート」が考えられ、国立科学博物館などが日本列島までの航海方法の検証などを進めている。

 

 日本工業大学の取り組みは4年生の卒業論文研究の一環。基さんによると、当時の琉球諸島間の交易や移住、漁に使った舟として、島々の資材を使った筏舟を使った可能性があるという。

 

 与論町では昭和30年代までリュウゼツランを活用した筏で漁をしていたこともあり、今回は基さんの知人や沖縄・国頭村森林組合の協力も得て、与論町のリュウゼツランとタケ、沖縄本島北部のセンダンを材料に、全長約4メートル、幅0・8~1・15メートル、重さ40キロの筏を作った。

 

 基さんが天城町の線刻画の調査に携わった縁で同町のユイの館(松村義則館長)が製作に協力した。台風の影響で学生は来島できず、町民らの協力を得て平土野漁港内で進水実験を行った。筏には基さんが乗り込み、帆に風を受けて進むミニ航海を数回繰り返した。

 

 基さんは「今回、大人2人で陸から運んで乗り込むことを想定して設計した。荷物の分を考えると浮力が少し足りなかった。学生とともに試行錯誤を繰り返しながら課題を解決し、いつかは外洋の航海にも挑みたい」と話した。