日本最大か、海底鍾乳洞発見 天城町、縄文土器も

国内最大級の海底鍾乳洞の入り口のウンブキ=4月8日撮影

国内最大級の海底鍾乳洞の入り口のウンブキ=4月8日撮影

 天城町浅間に日本最大級の海底鍾乳洞があることが、水中探検家の調査で明らかになった。調査した広部俊明氏(54)=沖縄県恩納村=によると、浅間地区の海岸から約400メートル内陸部にある入り口の浅間湾屋洞窟(通称ウンブキ)からの総延長は約1キロ。広部氏が1998年に恩納村で発見し、これまで日本最大とされてきた恩納海底鍾乳洞(広部ガマ、総延長約680メートル)を超える規模の海底鍾乳洞とみられる。

 広部氏は数年前にウンブキの存在を確認し、天城町から潜水許可を受けて、昨年10月から今年3月にかけて4回潜水調査を実施した。

 広部氏によると、昨年10月の第1回調査では入り口から約300メートル付近まで調べ、縄文時代に製作された可能性の高い土器を海底で発見。その後の調査で、新種の可能性があるエビや2011年に見つかったウンブキアナゴの国内初水中映像の撮影にも成功した。洞内の幅は数十センチから開けた場所では約50メートルの空間があり、最大深度は約40メートルという。

 広部氏は「陸上にあっても立派な鍾乳洞。発見時は鳥肌が立つほどだった」と調査を振り返った。調査中に進行方向から魚が出現しなかった点に着目し「海と連結している鍾乳洞なら、海側から魚が流れ込んでくるはず。入り口がふさがっている可能性が高い」とみている。

 海底鍾乳洞について鹿児島大学理学部地球環境科学科の北村有迅助教は「鍾乳洞は陸上の石灰岩でできた地層が、長い年月をかけて雨水に浸食されて誕生するため、水中ではできない。約7千年前の縄文時代にあった気温上昇に伴う海面上昇で、海に沈んだと考えられる」との見解を示した。

 3月の調査は入り口から直線距離で約700㍍地点まで行ったが、鍾乳洞はさらに奥へと続いていることから今後1年間程度、同町と広部氏を中心とする潜水調査チームで調査を継続する。鍾乳洞は20年夏ごろに一般ダイバーへの公開を目指すほか、町側は撮影動画をVR(仮想現実)で疑似体験できる体制整備の検討を進めるとしている。

海底鍾乳洞の内部(天城町商工水産観光課提供)

海底鍾乳洞の内部(天城町商工水産観光課提供)