来島自粛へ「ありがとう」 奄美出身の女子大生が発信

「#南の島を守ってくれてありがとう」という言葉を載せた投稿が並ぶツイッター画面

「#南の島を守ってくれてありがとう」という言葉を載せた投稿が並ぶツイッター画面

 #南の島を守ってくれてありがとう|。旅行や帰省での来島を自粛した人たちへ向けた感謝の言葉は、インターネット上の短文投稿サービス「Twitter」(ツイッター)を通して全国に広がった。沖縄や奄美など離島地域内外から寄せられた共感や応援の投稿は2万件を超え、冒頭の言葉はツイッター上での流行を意味する「日本のトレンド」にも入った。発信したのは、関東で暮らす奄美大島出身の女子大生2人だった。

 

 奄美市名瀬の県立大島高校から千葉県に進学した小野楽々さん(19)と東京都に進学した田中杏さん(19)。発信のきっかけは、奄美大島で新型コロナウイルス感染者が確認され、ネット上で飛び交う関係者への心ない言葉を目にしたことだった。

 

 「コロナ感染者が出たことで多くの島民が悔しく、悲しく思ったはず」と小野さん。それでも本土から来島する人が絶えない現状に「島民が来島者に抱く思いをより広く、より遠くに届けよう」と決意し、田中さんも賛同した。

 

 ツイッターには、多くの投稿に共通して使われた言葉を一時的な流行として表示する「トレンド」というものがある。2人は「#南の島を守ってくれてありがとう」という言葉のトレンド入りを目指した。この表現では、来島自粛を願う気持ちの裏返しとして、あえて来島を自粛した人への感謝の思いを込めた。

 

 20日にツイッターで投稿。「25日午後2時に『#南の島を守ってくれてありがとう』という言葉を載せ、来島を考えている人に伝えたいことを投稿して」と呼び掛けた。

 

 当日の午後、2人の呼び掛けに応じた投稿は目標(2千件)を大きく上回る2万件を超え、瞬く間にトレンド入りを果たした。各島の住民や出身者はもちろん、旅行などによる来島経験の有無を問わず、全国各地から共感や応援の投稿が相次いだ。

 

 「想像以上の反響に感動したし、また島が好きになった」と小野さん。「自分たちの行動は島で観光業を営む人たちを苦しめてしまったかもしれない」との思いも抱くが、「だからこそ、感染拡大が落ち着いてからの来島は心から歓迎したい。本土にいる自分を家族は心配してくれるが、今は帰省しないことで家族を守りたい」と前を向いた。