永田墓地区画貸与、40年ぶり再開へ 奄美市、利用計画審議委が発足

約4000の墓地が広がる永田墓地=11日、奄美市名瀬

約4000の墓地が広がる永田墓地=11日、奄美市名瀬

 奄美市最大の共同墓地・永田墓地の適正な利用を考える利用計画審議委員会(委員10人)が発足し11日、市役所委員会室で初会合があった。市有墓地を対象とする利用計画案は、約40年ぶりの区画貸与再開、永代使用料の設定などが柱。審議委の意見を反映させて年度内の策定を目指す。委員長に元野景一市議会議員を選出した。

 

 永田墓地は、江戸時代後期から明治期にかけての墳墓が多い旧墓地エリアと、1889(明治22)年から整備された新墓地エリアに分けられる。

 

 新墓地は需要の高まりとともに造成を繰り返し、山の中腹まで密集する形で広がっている。総数は市有、民営合わせ約4000区画。うち2182区画(新墓地1991、旧墓地191)が市有墓地になっている。

 

 条例によると、市有墓地を利用する際は墓地利用権(永代使用料)が必要で、売買や譲渡、貸与はできない。墓地が不用になった場合は、原状回復した上で市へ返還しなければならないと定められている。

 

 しかし昭和60年代に墓地台帳調査が中断して以降、管理不明の墓地が増加していた。このため市は2011年度、環境対策課に墓地対策室を新設し、墓地管理台帳の整備に着手。約10年かけて行われた市有墓地調査が進捗率91%(7月末現在)に達したことから、利用計画策定に向け審議委を立ち上げた。

 

 審議委では審議事項に(1)旧墓地の取り扱い(2)永代使用料(3)新墓地の利用(4)無縁墓の取り扱い(5)市営納骨堂の必要性-―の5項目が示された。このうち初会合では(1)~(3)の事務局案をおおむね了承した。

 

 計画案によると、期間は21~30年度の10年間。(1)の旧墓地は「現状維持が歴史資料的価値を損なわない最善の方法」との市教育委員会の所見を踏まえ、計画対象から外し現状を維持する。(2)の永代使用料は新規貸し出し時に徴収する。市はこの財源を墓地の適正利用に充てる方針。

 

 (3)の新墓地利用では、貸し出し対象に81区画を想定する。昭和50年代以降は新規貸与を停止しているため、再開すると約40年ぶりになる。

 

 委員からは「高齢者の休憩スペースを作ってほしい」「水道を設置したら利用価値があるのでは」などの意見が出された。