海岸の一部、護岸整備へ 瀬戸内町嘉徳

 浸食対策で護岸を新設する方針が決まった嘉徳海岸

浸食対策で護岸を新設する方針が決まった嘉徳海岸

  瀬戸内町嘉徳海岸の砂浜浸食について、県の対策事業検討委員会(委員長・服部正策東京大学医科学研究所特任研究員、委員7人)の会合が27日、県大島支庁瀬戸内事務所であり、砂崖が人家に迫るなど住民生活への影響が懸念される海岸の一部、延長180㍍の区域で、高さ6・5㍍の護岸を整備する方針を決めた。砂を投入して護岸を覆い、アダンを植栽するなど環境や景観に配慮した工法で行う。2018年秋ごろの着工を予定している。

 

 嘉徳海岸は2014年10月の台風接近に伴う高波や強風で砂浜が約20㍍浸食された。高さ約5㍍の砂崖が人家や墓地に迫り、集落側は県に安全確保の措置を求めた。県は16年度、延長530㍍の護岸整備案を示したが、一部住民が自然環境への影響を理由に反対。県は本年度、計画を白紙に戻し、専門家や地元住民で構成する検討会を設置して対策を協議した。

 

 検討会は3回目。県側は砂浜近くにある人家や墓地など土地の利用状況や、浸食規模、天然記念物オカヤドカリの生息状況などを分析した対策の重要度の評価を報告。30年に一度、9・5㍍の高波が襲来するとの試算に基づいて、強度の高いコンクリート製の護岸や、砂崖の後退を抑制するコンクリートブロックの設置など、6通りの工法案を示した。

 

 委員らは工法や工事範囲などについて協議し、浸食幅が大きく、住民の安全確保が必要な区域を選定し、護岸の新設を了承した。

 

 選定した工法は過去に奄美市笠利町の用海岸で導入されている。護岸の天板付近まで砂で覆って陸域と海浜の連続性を確保し、海岸利用者のアクセスがよく、オカヤドカリも移動しやすいという。

 

 服部委員長は護岸周辺の浸食抑止策や、工事用道路の維持管理、野生動物の保護の徹底などを県側に求め、「何もしないという選択肢もあったが、地元集落の意見を聞くとそうもいかない。景観には一番配慮した。将来的に嘉徳の浜が砂でいっぱいになることを期待したい」と述べた。