瀬戸内町教委・鼎さん、韓国で戦跡の調査・活用を報告

全体討論で意見を述べる鼎丈太郎さん(右)=11日、韓国・圓光大学

全体討論で意見を述べる鼎丈太郎さん(右)=11日、韓国・圓光大学

 「東北アジアの戦争遺跡と平和教育」に関する学術会議が11日、韓国益山(イクサン)市の圓光(ウォングァン)大学校崇山記念館であった。瀬戸内町教育委員会社会教育課埋蔵文化財担当の学芸員鼎丈太郎(かなえ・じょうたろう)さんが同町にある近代遺跡(戦争遺跡)の調査・活用について報告。「調査が進められることにより、日本の近代化や戦史を奄美群島から世界へ発信していく可能性がある」とその貴重性を強調した。

 

 学術会議は業務協約を結ぶ同大学校東北アジア人文社会研究所と済州(チェジュ)大学校平和教育研究所が企画し初開催。日本、韓国の研究者ら約20人が出席した。鼎さんは鹿児島大学の客員教授として奄美に来島し、戦跡調査を行ったこともある済州大学校の趙誠倫(チョ・ソンユン)さんからの依頼を受けて参加した。

 

 鼎さんは「近代遺跡を生かした郷土教育」をテーマに発表。瀬戸内町の大島海峡が日本軍の戦略戦術上の要地として重要視され始めた時代背景から、戦時中の軍事利用、近年になって注目され、本格化した戦争遺跡調査、遺跡を生かした郷土教育、今後の調査、保存、活用に向けての課題などを解説した。

 

 会議では鼎さんのほか、東京大学の西村明さん、沖縄平和ネットワークの村上有慶さん、韓国の研究者計6人の発表があった。

 

 鼎さんは帰国後、「瀬戸内町の活動事例は好意的に捉えられていたと感じた」と会議を振り返り、「近代遺跡は他の遺跡と比べて研究の幅も広く、国内外さまざまな専門家との研究、調査協力が必要となる。瀬戸内町の遺跡は世界的に多角的に調査が可能であり、活用方法も多くある事の裏返しであり、今回得た情報を今後の調査、活用に生かしたい」と力を込めた。