災害ごみ広域処理へ 奄美、沖縄で検討委発足

外海離島災害廃棄物広域処理検討委員会の初会合=17日、奄美市役所

外海離島災害廃棄物広域処理検討委員会の初会合=17日、奄美市役所

 奄美や沖縄の行政機関などで組織する「外海離島災害廃棄物広域処理検討委員会」(委員長・渡邉豊東京海洋大学教授、委員30人)がこのほど発足し、17日、奄美市役所で初会合が開かれた。各島で焼却困難な災害ごみを本土へ輸送するための広域連携体制構築へ向け、災害廃棄物発生の現状や想定に基づく課題について、関係機関で認識を共有した。

 

 委員会は、自然災害などに伴う廃棄物処理の課題や環境への影響を踏まえ、海上輸送を含む広域処理の方針を今年度中にとりまとめる予定。環境省九州地方環境事務所資源循環課に事務局を置き、鹿児島、沖縄両県や管轄する海上保安本部、民間船会社の各担当者らが委員を務める。

 

 初会合では冒頭、開催地を代表して朝山毅市長が「世界自然遺産登録を見据える奄美では自然保護の観点から災害ごみについて留意しており、時宜を得た開催に感謝する」とあいさつ。委員長に東京海洋大学海洋工学部流通情報工学科の渡邉豊教授、副委員長に琉球大学工学部の堤純一郎名誉教授を選任した後、①外海離島における災害廃棄物の発生と広域処理②離島での災害廃棄物海上輸送方法│について現状報告があり、課題を検討した。

 

 事務局によると、大規模災害時に奄美、沖縄地域で想定される廃棄物の焼却対象量は、各島の既存施設の年間処理量(2018年度)を超え、仮置き場の確保も困難となっている。本土へ搬出する海上輸送の際は、自治体間に加え船会社など関係機関との協力も欠かせない。

 

 渡邉委員長は「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」として世界自然遺産登録を目指している現状を踏まえ「適正な廃棄物処理は生活環境保全に限らず、自然保護の観点からも重要な課題」と指摘。委員からは定期船などの活用も想定した海上輸送方法について、詳細な協議を求める意見があった。

 

 委員会は来年1、2月ごろをめどに第2回会合を開き、協議を経て奄美、沖縄地域の災害廃棄物広域処理方針をまとめる予定。