県美展でハートフル賞 愛の浜園の猿渡さん、幸さん 共同制作の陶芸

第65回記念県美展でハートフル賞を受賞した猿渡さん、幸さんの陶芸「tenkomori 2018」

第65回記念県美展でハートフル賞を受賞した猿渡さん、幸さんの陶芸「tenkomori 2018」

 第65回記念県美展(県美術協会など主催)の障がい者を対象にしたハートフルの部で、奄美市名瀬の障害者支援施設「愛の浜園」(榮野和光施設長、入所者40人)の猿渡明弘さん(56)、幸裕次郎さん(31)が共同制作した陶芸「tenkomori 2018」がハートフル賞に選ばれた。作品は奄美市笠利町の県奄美パーク田中一村記念美術館で10日に始まる県美展奄美関連作家展で展示される。7月1日まで。

 

 県美展は障がい者に出品の門戸を開こうと第62回展からハートフルの部を開設。会員、公募と合わせて3部門で開催している。ハートフル賞は知事賞、鹿児島市長賞、県美術協会賞各1点に次ぐ特別賞で、二人の作品は全10点の一つに選ばれた。同施設からは坂井文也さん(60)の絵画「あじさいの花」も入選した。

 

 「tenkomori 2018」は、猿渡さんの幅約50㌢、高さ約20㌢の器に、幸さんの大小さまざまなビーズ約5千個を「てんこ盛り」にした作品。器の釉薬(うわぐすり)には本場奄美大島紬の染料に使ったシャリンバイの灰を使用。ビーズはわらを巻く技法を使って一つ一つ異なる模様や色合いを表現した。

 

入選した坂井さんの絵画「あじさいの花」

入選した坂井さんの絵画「あじさいの花」

 二人は施設での生産活動の時間を使って制作に取り組んだ。猿渡さんはおよそ3カ月をかけて大作を完成。幸さんは入所した2006年ごろからこつこつ作りためていた。受賞に「陶芸が好きだから」「(ビーズ作りは)面白い」と制作への思いを語った。

 

 二人の創作活動を支えた支援員の惠拓也さん(33)は「日ごろの頑張りが評価された。他の利用者の励みになる」と喜んだ。愛の浜園からは初出品での快挙。榮野施設長は「本当にうれしい。普段の取り組みを大切にして、利用者の隠れた才能を社会に発信したい」と語った。