知事、住民とふれあい対話 徳之島2会場

2020年10月25日

地域

県内初開催の「知事とのふれあい対話」で住民から意見を聞く塩田知事(左)=24日、天城町天城

県内初開催の「知事とのふれあい対話」で住民から意見を聞く塩田知事(左)=24日、天城町天城

   7月の県知事選挙で初当選した塩田康一知事は24日、県内で初めての「知事とのふれあい対話」を徳之島で開いた。天城、徳之島両町の会場では、住民代表から農業や教育の振興、離島医療の充実などについて意見・要望があり、塩田知事は「いろんな要望をいただいたので、内容を担当部局で検討して答えを出し、今後の県政に生かしたい」と述べた。25日は伊仙町で開催する。

 ふれあい対話は、徳之島で幼少期を過ごした知事の意向もあり、同島からスタート。天城町防災センターと徳之島町生涯学習センターの各会場には、各町推薦枠5人と公募枠10人の計15人がそれぞれ出席した。

 対話は5人1組が意見を発表し、塩田知事がまとめて回答する形式で行われた。天城町の会場では、サトウキビ交付金単価引き上げや奄美群島内のいずれかの県立高校への農業科開設、離島出身の教職員拡充へ教員採用制度の見直し、台風襲来時の輸送対策などの要望があった。

 徳之島会場では、徳之島以南の港湾へのボーディングブリッジ整備や、世界自然遺産を担当する県職員の島内配置、オンライン活用による医療と教育の格差是正などを求める意見が出た。医療従事者からは奄美市の県立大島病院に配備しているドクターヘリについて、ここ1年間で出動要請に応じる機会が減少していると指摘があり、改善を求める一幕もあった。
 ドクターヘリの出動について言及した徳洲会病院循環器科部長の田代篤史さん(38)は「要請しても出動を渋るケースが増えたため、要請を見送った事例も含めるとこの1年で10件以上はドクターヘリを利用できなかった」と説明。「島によって提供できる医療に限界があるため、出動を要請している。これは患者の命に関わる問題。各島の医療体制を基準にドクターヘリを運用してほしい」と訴えた。

 これに対し塩田知事は「出動要請を断るケースは認識していなかった。医療格差を解決するために導入したドクターヘリの運用が実態を伴っていないとなれば問題。どういった基準で運用しているのか確認した上で、必要があれば改めていく」と理解を求めた。

 ふれあい対話を終え塩田知事は「農業、観光、インフラ整備など多くの意見をいただいた。より良い徳之島のために頑張っていく。今回いただいた意見・要望は、県ホームページで公表するとともに、今後、担当部局と協議して回答していく」と述べた。

 ふれあい対話の合間に塩田知事は、徳之島町のみらい創りラボいのかわ、合同会社あまみ徳之島絆ファームも視察した。

 県広報課によると、ふれあい対話は来月21~22日は長島町、出水市、阿久根市でも開催予定で「できるだけ早い時期に43市町村で開催したい」としている。