知名町のエラブココ開所1年

買い物客への対応などで慌ただしい様子の観光協会職員ら=3月24日、知名町屋者

買い物客への対応などで慌ただしい様子の観光協会職員ら=3月24日、知名町屋者

 知名町が同町屋者に整備した産業クラスター創出拠点施設「エラブココ」が開所から4月1日で1年を迎える。施設は、おきのえらぶ島観光協会(前登志朗会長)が指定管理し、物産品販売を兼ねた観光案内所や事務所などを共有するコワーキングスペースが設けられ、観光客や地元住民の交流の場として成果を上げている。一方、施設内の機能や備品で十分に活用できていないものもあり、それらを最大限に生かした事業の進展が今後の課題と言えそうだ。

 

 3月24日の日曜日、観光協会主催によるピクニックマーケットがエラブココで開催され、親子連れや観光客でにぎわった。来場者は軽食やフリーマーケット、施設のお土産ブースで買い物を楽しんだり、屋外テラスでくつろぎながら友人と談笑したり、芝生で弁当を広げたりと思い思いにイベントを楽しんだ。

イベント開催でにぎわうエラブココ=3月24日、知名町屋者

イベント開催でにぎわうエラブココ=3月24日、知名町屋者

 

 この日は観光協会事務局の職員4人全員が出勤。レジや電話の応対、体験メニュー利用者への対応など慌ただしそうに業務をこなしていた。

 

 同施設は2017年3月末で閉所した旧下平川保育所を、国の地方創生拠点整備交付金を活用して17年度に町が改修整備した。観光振興に加え、人の交流による島おこしの新たなアイデアや雇用・産業の創出が主な目的。

 

 同協会事務局によると、19年3月27日現在の事業収入は約1700万円。事務局をエラブココへ移転する前と比較して2倍以上に増えた。

 

 観光客を中心に来場者が増えたことで物産品の売り上げが好調なほか、人気の美(ちゅ)ら玉アクセサリー作りをはじめとした体験メニュー、会議室などの施設利用料で収入を得ている。

 同協会の古村英次郎事務局長は「当初は空港や(和泊)港から、より離れた所に事務局を移転することに対して懸念の声もあったが、観光案内の窓口利用者は格段に増え、島内でのエラブココの認知度もこの1年でかなり高まっている」と話した。

 

 現在、同協会の運営は施設の事業収入に加え、加盟事業所の年会費(約370万円)や、和泊、知名両町の負担金(計500万円)で成り立っており、独立採算を図るには事業収入のさらなる上積みが必要となる。

 

 施設にすでに配備されている自転車を活用したガイドサイクルツアーの実用化や、利用が伸び悩む新規事業所等へのシェアオフィスの貸し出しなどが2年目以降の課題だ。

 

 古村事務局長は「事業収入を伸ばすことで職員の待遇や、会員サービスの向上につながったり、他の類似団体の範となり視察に来てもらえるような施設へと成長できれば」と意欲を語った。

 

 知名町企画振興課の渡辺貴之係長は「交流拠点としての役割は果たせているが、新たなアイデアや産業を生み出すという点はこれからがスタート。(行政も)観光協会とともに知恵を絞りたい」と話した。