知名町瀬利覚トウギョ保全活動に未来遺産登録証伝達

酒井委員(左から2人目)からファングル塾メンバーに未来遺産の登録証が手渡された伝達式=知名町瀬利覚

酒井委員(左から2人目)からファングル塾メンバーに未来遺産の登録証が手渡された伝達式=知名町瀬利覚

 日本ユネスコ協会連盟主催の「プロジェクト未来遺産2017」登録証伝達式が5日、知名町の瀬利覚集落生活館であった。登録されたNPOファングル塾(朝戸武勝代表)の「えらぶトウギョの里プロジェクト」は絶滅の恐れがあるトウギョ(和名・タイワンキンギョ)の保全を図り、島の宝として未来へと引き継ぐ取り組みを実施している。ファングル塾会員や地域住民ら約80人が出席し、県内初となる未来遺産登録を祝った。

 

 同連盟未来遺産委員会の酒井暁子委員(横浜国立大学大学院教授)から、同塾元気環境部長の東山善吉さんに登録証が手渡された。

 

 昨年、現地調査を行った酒井委員は「非常に貴重な生物であるトウギョの保全に極めて重要な取り組みをしている。トウギョを単に守るだけでなく、地域の自然環境のシンボルとして子どもたちや住民が郷土愛を育んでいく仕組みづくりをしている点が素晴らしい」と講評した。

 

 朝戸代表は「県内初の未来遺産登録を誇りとするだけでなく、一層の責任感を持って今後の活動に臨みたい」と強調。「当面は繁殖期間中の管理を徹底して稚魚の増殖に全力を挙げたい。蓄積した飼育経験をさらに高め、離島での自然保護の課題に、島の子どもたちと共に取り組みたい」とも述べた。

 

 トウギョは国内では沖永良部島と沖縄本島にだけ分布する体長7~8㌢ほどの淡水魚。水田の減少などで個体数が激減し、環境省のレッドリストで「絶滅危惧ⅠA類」に位置付けられている。瀬利覚集落有志で組織するファングル塾では、水源地近くにビオトープ(生息池)を造成し、トウギョを放流。地域の子どもたちと保全・増殖活動に努めている。

 

 日本ユネスコ協会の「プロジェクト未来遺産」は、地域の文化や自然を守る活動を支援しようと09年度に創設され、全国での登録総数は66件。

ファングル塾が保護活動を進めているトウギョ

ファングル塾が保護活動を進めているトウギョ