緊急着陸のオスプレイ離陸 奄美空港に1カ月

緊急着陸後、1カ月ぶりに奄美空港を離陸する米軍のオスプレイ=4日午後4時7分ごろ、奄美市笠利町

緊急着陸後、1カ月ぶりに奄美空港を離陸する米軍のオスプレイ=4日午後4時7分ごろ、奄美市笠利町

 エンジン関係の故障とみられるトラブルで奄美市笠利町の奄美空港に緊急着陸していた米軍の輸送機オスプレイは、4日午後4時10分ごろ滑走路を離陸し、1カ月ぶりに同空港を離れた。防衛省九州防衛局によると、国内の民間空港に緊急着陸したオスプレイの駐機期間としては最長という。離陸したオスプレイは同日午後5時40分ごろ、山口県の米軍岩国基地に着陸した。同局によると、最終目的地は東京都の横田基地とみられる。

 

 緊急着陸したのは、沖縄県の米軍嘉手納空軍基地所属のCV22型オスプレイで、6月4日に横田基地から岩国基地を経由し、嘉手納基地に向かう途中だった。

 

 着陸後、奄美空港には米軍の輸送機が飛来して修理用の部品とみられる資材や人員を数回搬送し、同月15日以降は日本エアコミューター(JAC)の格納庫内で修理や整備が行われてきたが、作業は7月までずれ込んだ。

 

 今月3日には奄美空港周辺でテスト飛行を繰り返し、同日夜には米軍のMC130型輸送機が同空港に飛来して資材や複数の人員を搬出したことから、同日までに飛行前の点検は終了していたもよう。

 

 オスプレイは4日午後3時すぎにJACの格納庫から出庫し、同4時すぎにローター(プロペラ)を上向きにしたヘリモードの状態で、前日のテスト飛行と同様に滑走路上空を移動して離陸した。

 

 ▽安全性に懸念の声

 

 オスプレイを巡る国内の事例では、2017年8月29日に大分空港に緊急着陸した機体が9月8日までの11日間、駐機を続けた例があるが、今回の奄美空港での駐機期間はこれを大きく上回った。

 

オスプレイが奄美空港を離れた4日、仕事のため同空港を訪れていた奄美市名瀬の会社員男性(49)は「1カ月も居座っていたとは」と驚き「自宅のある小湊地区では、低空で飛ぶオスプレイを目撃することが多い。故障が多く、修理に長い期間を要する機体は島の上を飛んでほしくない」と訴えた。

 

 奄美ブロック護憲平和フォーラム事務局長の城村典文さん(65)は「乗員の生命を守るために緊急着陸はやむを得ないが、駐機の長期化はオスプレイが欠陥機であるとの証明」、米軍を監視する市民団体「リムピース」の頼和太郎編集長(69)も「1カ月も修理にかかること自体が大きな問題だ」と指摘した。

 

 オスプレイを巡っては、奄美市議会と大和村議会が奄美大島上空での飛行訓練中止を求める意見書を可決している。奄美市議会に意見書を提出した西公郎議員(54)=自民新風=は「修理に時間がかかったことは遺憾だが、墜落など事故防止の面で緊急着陸については理解したい」と語り、「市街地や住宅地上空での飛行には、引き続き反対していく」と話した。