緞帳に一村作品採用 奄美市

田中一村作品を図柄に採用する緞帳のイメージ図(奄美市提供)

田中一村作品を図柄に採用する緞帳のイメージ図(奄美市提供)

 奄美市名瀬柳町に市民交流センターを建設中の市教育委員会は25日、多目的ホールの舞台に設置する緞帳(★どんちょう)のデザインを公表した。奄美を描いた画家、田中一村の作品「奄美の海に蘇鐵(★そてつ)とアダン」を採用。大きさは横12メートル、高さ7・9メートルで、豪華な西陣綴織(★つづれおり)で織り上げる。6月初旬の完成を見込んでいる。

 生涯学習課によると、「奄美の海に│」は1961年1月、一村が52歳のときに制作された。ソテツやアダン、ダチュラの奥に、奄美の信仰対象にもなる巨石・立神や海岸線が描かれている。一村作品では数少ない横型の作品。

 

 緞帳制作の監修を務める大矢鞆音氏(美術評論家)は「樹間の向こうに立神を配すなど、奄美への理解の深さが見て取れる。どの命にも敬意を持って描いたその態度は、奄美における生物多様性の発見者といえる」と解説している。

 

 昨年6月の緞帳原画選定委員会(森山利男委員長、委員6人)で原画が選ばれ、12月にデザインが決まった。事業費は監修費含め1712万円。京都市の専門業者が作成する。西陣綴織は耐用年数20年以上と丈夫なのも特徴という。

 

 同課担当者は「6月初めには出来上がる。舞台工事に合わせて搬入したい」と話した。

 市民交流センターは旧名瀬公民館の代替施設。旧水道課施設(旧名瀬保健所)跡地に整備されており、10月の供用開始を目指している。