聴覚障がいに理解を=手話サークル「てて」30周年

特別講演したNPO法人MAMIEの安藤理事長と聴導犬のアーミ=22日、奄美市名瀬

特別講演したNPO法人MAMIEの安藤理事長と聴導犬のアーミ=22日、奄美市名瀬

 奄美大島の手話サークル「てて」(中浜博会長、会員23人)の創立30周年記念大会が22日、奄美市名瀬のホテルであった。NPO法人MAMIE(マミー)=大阪市=の安藤美紀理事長(48)の特別講演があり、聴導犬「アーミ」(4歳、メス)と共に聴覚障がい者や聴導犬に対する理解普及を訴えた。

 

 聴導犬は聴覚に障がいのある人に代わり、玄関のチャイムや電話の着信、車が近づく音など生活に必要な音を聴き、障がい者へ伝える役割を務める。音に対する反応のほか、人と暮らすためのマナーや公共の場への適応など厳しい訓練を受けている。

 

 安藤理事長は鹿児島出身で生まれつき耳が全く聞こえない。講演では4歳でペットとして飼い始めたマルチーズの「マミー」が耳代わりになって音の存在を教えてくれた逸話を紹介し、「私が聴導犬と共に生きるということは過去からずっとつながっている。障がいがある人もそうでない人もお互いに支え合い助け合える優しい社会を目指したい」と思いを語った。

 

 講演後はアーミが携帯電話や目覚ましのアラームが鳴っていることを安藤理事長に知らせるデモンストレーションを披露。けなげな働きぶりで会場の注目を集めた。安藤理事長の息子で手話シンガーの一成さんは作詞作曲した「補助犬って知ってる?」を手話を交えて歌い、盲導犬や介助犬、聴導犬の役割を紹介した。

 

 夫婦ともに聴覚障がいのある参加者は「聴導犬を実際に見たのは初めてで勉強になった」「将来パートナーに迎えて一緒に外出してみたい」などと話した。家族で来場した栗林美宥さん(天城小6年)は「いろんな音に反応して人を助けてくれるアーミの賢さにびっくり。つらい経験を乗り越えてきた安藤さんはとても強い人だと思う」と話した。

 

 「てて」は1989年結成。聴覚障がい者との交流や手話学習、手話通訳派遣などを続けている。記念大会には約70人が出席。中浜会長は「世界自然遺産登録などで聴覚障がい者の来島者も増えるだろう。奄美を満喫してもらうよう、ててとしても活動の場を広げたい」と語った。