親子2代の方言継承評価 「与論民俗村」県内唯一受賞 与論島

文化庁長官表彰を受けた与論民俗村の菊千代さんと秀史さん=3日、与論町麦屋

文化庁長官表彰を受けた与論民俗村の菊千代さんと秀史さん=3日、与論町麦屋

  【沖永良部総局】与論町の私設民俗資料館「与論民俗村」がこのほど、2018年度文化庁長官表彰を受けた。親子2代にわたる与論方言の記録、普及、継承活動を通した国の国語施策進展への貢献が評価された。県内では唯一の受賞。

 

 与論民俗村は1966年、島の生活文化が失われていくことに危機感を抱いた菊千代さん(92)が「与論民具館」として開設した。同年から、民具とともに消えゆく島の言葉を記録し始め、85年に「与論方言集」を発刊。2005年には大学教授との共著「与論方言辞典」を出版した。

 

 与論民俗村村長を務める次男・秀史さん(61)は方言継承活動に力を注ぐ。01年から公民館で地域の子どもたちに教え始め、02年には与論小学校に掛け合い、授業での方言教育を実現。14年には方言の参考書全4巻を発刊した。今年は20~30代の青年層を対象とした方言教室を開講した。

 

 千代さんは「自身の勝手な思いでやってきたことにこのような賞を頂き、恐縮している。ありがたい」と喜んだ。秀史さんは「(表彰は)うれしいが、方言が消えればゼロになる。今後も活動を続け、子どもからお年寄りまで方言と共通語が話せるバイリンガルの島が実現すれば、世界的なモデルになる」と力を込めた。

 

 文化庁長官表彰は、文化活動に優れた成果を示し、国の文化振興に貢献した個人、団体を表彰するもので、18年度の被表彰者は89件(86個人、3団体)。表彰式は3月18日、東京都の文科省で行われた。