訴訟原告ら3万人分の署名提出 瀬戸内町嘉徳

鎌田町長に署名を提出する髙木氏(右)=30日、瀬戸内町

鎌田町長に署名を提出する髙木氏(右)=30日、瀬戸内町

 県が瀬戸内町嘉徳海岸で計画している護岸工事への公金支出差し止めを求めた住民訴訟の原告らが30日、瀬戸内町役場と同町の県大島支庁瀬戸内事務所を訪れ、計画の見直しを訴える3万645人分の署名を鎌田愛人町長、塩田康一知事宛てに提出した。原告らは「世界自然遺産登録を目指す奄美は注目されている。たくさんの人が工事の計画に疑問を持っている」と訴えた。

 

 嘉徳海岸は2014年の台風などで砂浜の浸食が進んだため、地元住民が県に安全確保の対策を要望。県は専門家を交えた検討協議会の結論を踏まえて、延長180メートルのコンクリート護岸整備計画を決めた。計画に反対する住民らは砂浜が回復していることや、環境への影響評価が不十分などとして、県を提訴した。

 

 原告の1人で奄美の森と川と海岸を守る会代表のジョン・マーク・髙木氏(47)らは17年9月からインターネット上で署名活動を展開。同日までに集まった署名と、添付された2339人分のコメントを両者に提出した。

 

 高木氏らは「嘉徳海岸には素晴らしい自然が残っている」と強調。計画についての情報不足を指摘し、住民側への説明や、計画について協議の場を設けるよう求めた。

 

 県議会9月定例会の一般質問で、県側は嘉徳海岸の護岸工事に関して、延期など計画の再検討は行わないと答弁した。署名を受け取った鎌田町長は「県の意見を支持したい。集落の生命、財産を守る責任を果たしていきたい」と県の計画に賛同する考えを示した。県大島支庁瀬戸内事務所の用階弘太建設課長は「住民が1日でも早く安全な生活ができることが重要。護岸工事の必要性は変わっていない。署名の内容は関係部署に伝える」と述べた。