誰もが一緒に過ごせる場所に/奄美初の共生型サービス開始/デイサービス和月龍郷

室内で思い思いの時間を過ごす利用者=24日、龍郷町のデイサービス和月龍郷

室内で思い思いの時間を過ごす利用者=24日、龍郷町のデイサービス和月龍郷

 ㈱和月(白浜和晃社長)が運営する龍郷町のデイサービス和月龍郷は7月1日、高齢者と障がい者(児)が共に利用できる「共生型サービス」の提供を始めた。介護保険制度改正による2018年度からの新サービスで、奄美では同事業所の導入が初めて。同社統括マネジャーの白浜幸高さんは「子どもから高齢者まで障がい者も健常者も、みんなが共生できる場所を発信していきたい」と話している。

 

 共生型サービスは、地域共生社会の実現と包括的支援体制の構築を目指す国の方針に基づくもの。必要な基準を満たし、県の認可を受けた介護保険事業所、障害福祉事業所で提供できる。障がい者が65歳以上になっても使い慣れた事業所でサービスが利用しやすくなる観点や、福祉に携わる人材に限りがある中で、地域の実情に合わせた人材活用などの狙いがある。

 

 デイサービス和月龍郷は2015年開設。当初から通所介護のほか、龍郷町の認可を受けた基準該当サービスとして、身体障がい者への自立訓練(機能訓練)を実施。児童発達支援と放課後等デイサービスを提供する「発育サポートハートリハ龍郷」を併設させ、子どもから高齢者までの切れ目ない支援を提供してきた。

 

 共生型サービスの導入により、これまで利用していた4人の障がい者が共生型サービスを継続利用。今後は知的・精神障がい者も受け入れ、機能訓練に加えて自立した生活が送れるための生活訓練や相談サービスを提供する予定だ。

 

 共生型サービスの開始以降、同業者や障がいのある家族がいる地域住民からの問い合わせは多く、関心の高さがうかがえる一方、「同サービス提供まではなかなか難しいのが現状では」と白浜さん。「高齢者と障がい者が共に過ごせる環境づくりには職員のそれなりの経験が必要。今回の県の認可も、これまでの経験が評価されたものだと思う」と自負する。

 

    ◇

 24日、同事業所のデイサービスを訪ねた。茶を飲んでくつろぐ女性、テーブルゲームを楽しむ男性4人組、リハビリスペースには理学療法士の施術を受けたり、黙々と器具を使った運動に励む利用者の姿も。同じ空間に併設事業所から遊びに来た子どもが走り回り、高齢の利用者と交流する場面も見られた。

 

 昨年からデイサービスを利用する女性(74)は「いろんな人がいるが、嫌ということはない。病気の大変さやその人の気持ちが分かることもあった。子どもはかわいいし、笑顔になれる」と同事業所の雰囲気を気に入っている様子だった。

 

 当初は障がいのある利用者の行動が理解できず、不満や戸惑いをあらわにする高齢利用者もいたという。白浜さんは「その方の1日のスケジュールを作成、掲示することでどういう行動をするのかを理解し、受け入れてくれるようになった。このような経験を積んできたからこそ、制度に基づくきちんとしたサービスが提供できる」と強調。「今後は事業所内にとどまらず、地域の中で、例えば保育園や就労支援事業所、民生委員などと連携し、共生できる場所を広げていけたら」と力を込めた。