負傷したクロウサギ保護、輪禍か 宇検村の県道

 

負傷して保護されたアマミノクロウサギ=7日、奄美市名瀬のゆいの島どうぶつ病院

負傷して保護されたアマミノクロウサギ=7日、奄美市名瀬のゆいの島どうぶつ病院

国の特別天然記念物アマミノクロウサギが5日夜、宇検村の県道で保護された。左の後脚にけがをしており交通事故に遭ったとみられる。環境省奄美野生生物保護センターはクロウサギの活動が活発になる秋から冬にかけて事故が多くなるとして、「特に夜間はゆっくり安全運転を心掛けてほしい」と事故防止を呼び掛けている。

 

 5日午後9時半ごろ、宇検村須古―部連間の県道名瀬瀬戸内線で、通り掛かった住民が道路脇でうずくまっているクロウサギを見つけ、警察に通報した。駆け付けた瀬戸内署宇検駐在所の署員が保護し、同センターへ連絡。奄美市名瀬の「ゆいの島どうぶつ病院」に引き取られた。

 

 同病院の伊藤圭子獣医師によると、クロウサギは体重1・8キロの雌で若い成獣とみられる。左の後脚に裂傷があり皮膚がめくれていたが、大きな骨折などはなく、食欲はあり果物などを食べているという。治療しながら経過を観察し、野生に戻すか判断する。

 

 同センターによると、奄美大島で今年のクロウサギの交通事故による死亡確認数は8月末現在で11匹。全体の死骸確認数(34匹)の約3分の1を占める。

 

 同島では近年、マングース防除が進んでクロウサギの生息状況に回復傾向がみられる一方、交通事故も増加しており、2017年の事故によるクロウサギの死亡確認数は過去最多の26匹に上った。

 

 同センターの千葉康人上席自然保護官は「県道や国道など大きな道路でも出没するようになってきている。昨年より(事故発生の)ペースは遅いが、毎年9月から12月にかけて事故が増える傾向がある」と話し、ドライバーに注意を促した。